この記事では五大ウイスキーのひとつである、アメリカンウイスキーの代表的な7つの蒸溜所を紹介する。
フォアローゼズ蒸溜所
ブランドは1886年に誕生。現在の蒸溜所は1940年代に建てられたもので、2002年からはキリンビール社が所有。複数の酵母やマッシュビル(原料の配合比率)の組み合わせで原酒を造り分けるなど、バーボンでは異例の繊細なウイスキー造りを身上としている。
ワイルドターキー蒸溜所
1869年にリッピー兄弟が創設した蒸溜所がルーツ。ローレンスバーグにある蒸溜所では、発酵・蒸溜・樽詰の度数を低めに設定し、さらには瓶詰めする際の加水を最低限にとどめるなど、伝統の製法で豊かな風味と深い味わいをもつウイスキーが造られている。
ジムビーム蒸溜所
ドイツ移民のジェイコブ・ビームがケンタッキー州で1795年にウイスキー造りを始め、以来、7世代にわたりその伝統が継承されてきた「ジムビーム」。同州のクレアモントにある蒸溜所では、代々受け継がれるオリジナル酵母を使用し、4年以上熟成させた原酒のみが製品化される。
ジャック ダニエル蒸留所
1866年にテネシー州のリンチバーグで登録。サトウカエデの炭を敷き詰めた巨大な濾過槽で、蒸溜直後のスピリッツを約10日かけて濾過する。このテネシーウイスキー特有のチャコールメローイング製法などを用い、スイートでまろやかなウイスキーを生産している。
I.W.ハーパー
ドイツ移民アイザック・ウォルフ・バーンハイムが1877年に誕生させた「I.W.ハーパー」。独特のデザインのデキャンタボトルが目を惹くI.W.ハーパー12年は、世界初の12年熟成プレミアムバーボンとして1961年に発売。その品質は、世界で称賛された。
ブラウンフォーマン蒸溜所
Early Times Method(昔ながらの製法)を謳い、1860年に創業した蒸溜所で生まれた「アーリータイムズ」。禁酒法時代に多くの蒸溜所が閉鎖する中「医療用ウイスキー」の販売が許された。伝統は受け継がれ、いまも世界中で愛されるバーボンだ。
メーカーズマーク蒸溜所
サミュエルズ家のウイスキー造りの歴史は1780年まで遡ることができるが、現在の蒸溜所は1951年に六代目ビル・サミュエルズ・シニアが創設した。バーボンでは一般的なライ麦の替わりに冬小麦を使用するなど、独創的な手法でハンドメイドにこだわったウイスキー造りを行う。
この記事は、2019年 Pen 10/15号「いま飲むべき一本を探して、ウイスキーをめぐる旅。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。商品の価格は掲載時のものとなります。