ハリウッドを闊歩するカンフースターが愛用した、存在感抜群のサングラス
文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一サンフランシスコで生まれ、香港で数多くの映画に出演したブルース・リーが再びアメリカに戻ってきたのは1959年のこと。彼の一生を描いた『ブルース・リー伝』(マシュー・ポリー著、亜紀書房刊)では「ぱりっとした黒いスーツに身を包み、明るい色のネクタイを締めてサングラスをかけたブルースを父の友人が波止場で出迎えた」と書かれている。
生前、リーが愛用していたのが、アメリカで1950年代に創業されたタートオプティカルのサングラス。ジェームス・ディーンからジョニー・デップまで多くの有名人が愛用したことでも知られるブランドだ。リーが愛用したのはサーファーというモデルで、ティアドロップタイプのユニークな形状で、同書には『ドラゴン危機一発』(71年)のタイで行われたロケで、監督とともにサーファーと思われるサングラスをかけたリーの写真が掲載されている。彼の死亡後に完成した『死亡遊戯』(78年)では、リーの代役たちが本物のリーに似せるために同じようなサングラスをしてスクリーンに登場する。
タートオプティカルの創立者ジュリアス・タートの意思を受け継いだ眼鏡ブランド、ジュリアス・タートオプティカルで、リー愛用のサングラスをイメージしたモデルを探してみた。DART(ダート)というサングラスがよく似ている。角ばった「スクエアターガ」と呼ばれるシェイプで、ブラウンのフレームに入った大きくてフラットなブルーレンズが強烈なインパクトを与えてくれることは確実だ。その存在感は、ハリウッドを闊歩したアクションスターを彷彿とさせる。
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