「マルニ」が放つパンクな足元で、日常にさりげない反骨を。

NEWSな服&小物

Vol.23 写真:安達紗希子(CROSSOVER) 文:今野 壘

「マルニ」が放つパンクな足元で、日常にさりげない反骨を。

2トーンのカーフレザーとコバの張り出したスクエアトゥが目を引くデザイン。ランウェイでは同モデルの柄違いをワイドパンツに合わせたルックが散見した。

いつにも増して多彩なカラーパレットと、レオパードやチェック、ボーダーなど、アイコニックなパターンが目白押しのマルニの秋冬メンズコレクション。クリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・リッソが同シーズンのレディスコレクションについて「検閲に抵抗してみようと思った」とコメントを残していますが、そんな反骨精神はメンズでも健在。それを端的に表しているのがこのシューズというワケです。“タッセルモカシン”と呼ばれるこのモデルは、ペニーローファーに特大のタッセルを結わえたようなアッパーと、極厚のソールが最大の特徴。多彩な色柄が登場した70年代ヴィンテージを想起させる今回のコレクションの雰囲気に、ポップなパンク的要素を組み合わせて生まれたというデザイン。ランウェイで登場した同様のモデルにはアイコニックなタッセルが倍の数がついているものもあり、フランチェスコ本人も来日時にそれを着用していたことからも偏愛ぶりと自信のほどがうかがえます。残念ながらそちらは非売品で、実際の商品はここでフィーチャーしているように、よりデイリーに履きやすい仕様。とはいえそのインパクトは健在で、秋冬の重ね着にも意外とすんなりマッチする圧倒的なボリューム感が醍醐味です。履いた時のバランスは往年のパンクスを彷彿とさせつつ、あくまでモダンで上品。こんな洒落の効いた一足で、教科書通りの冬支度に異を唱えてみるのも、粋なのではないでしょうか。

アッパーの素材は、キメが細かく上質なカーフレザー。黒の顔料でコーティングした後に職人の手作業によって研磨することで、下地の白を覗かせるという凝った手法で仕上げられています。

真横から見ると、改めてボリューム感に圧倒されます。エッジに細やかな溝を刻んだソールはクッション性にも優れていて、見た目の存在感に反した軽やかなはき心地を約束。

マルニ「タッセルモカシン」
【価格】¥105,840(税込)
【素材】カーフ
【問い合わせ先】マルニ 表参道 TEL:03-6416-5486

「マルニ」が放つパンクな足元で、日常にさりげない反骨を。