写真:宇田川 淳
Vol.73 部屋に飾りたいほどの造形美! 彫刻のようなキャンバスバッグに世界から熱い目線が。
ブルーとホワイトでストイックに色が揃えられた2個のバッグは、あたかも現代彫刻のような佇まい。素材は厚手のキャンバス(帆布)で、グラフィカルに配置されたポケットと相まって独特な造形を完成させています。手がけたのは日本のコンセプチュアルなバッグブランド「チャコリ」。イギリスの気鋭のファッションブランド「トゥーグッド」とコラボした、「トゥーグッド コレクション」のバックパックです。
どこか歴史的な印象があるのは、19〜20世紀初頭に建築家が使っていたバッグから着想されているから。決して過去の忠実な再現ではなく、土臭さに浸ることもなく、芸術家にとっての粘土のようにコットンキャンバスが素材として用いられています。チャコリの製品を見てヴィンテージ好きもアート好きも心が奪われるのは、一つのバッグの中に多様な要素が込められているからでしょう。
縫製ステッチを表に出さないように縫い上げ、無骨さを消し去る工夫はチャコリの得意技。自社工場をもつブランドならではの手間の掛かる仕事です。チャコリは製品の一部が東京・銀座にあるセレクトショップ「ドーバーストリートマーケット ギンザ」で取り扱われ、コラボアイテムも多数展開中。モード好きの大人女性に支持されるファッションブランドの「ハイク」とも毎シーズンコラボするなど、多方面で知名度が広がっています。ファッショニスタでない人にも手に取っていただきたい、流行に左右されず高級感のある逸品です。