たかがキャップ、されどキャップ。大人は爽やかな色を選ぶ...
構成、文:高橋一史
写真:宇田川 淳

Vol.55 たかがキャップ、されどキャップ。大人は爽やかな色を選ぶべき、その理由とは !?

A.P.C.

帽子は実に便利なアイテムです。とくに気候が暖かくなるこれからの季節には、ワードローブに常備しておきたいもの。出掛ける前にさっと被れば、汗で乱れがちな髪型を一日中気にせずに済みます。シャツ+パンツのミニマルな軽装のときも、帽子を加えれば洒落たムードに。それでは、いま大人が選びたい帽子とは何でしょうか。ここでお薦めするのは、「爽やか色のキャップ」です。

ひと昔前、いえふた昔前なら、ベースボールタイプのキャップは若者向けのアイテムでした。大人の定番は中折れハットやハンチングだったのです。スポーツウエアに準じた服やスニーカーの人気が広がるにつれ、世代も男女も問わずキャップがタウンスタイルとして定着しました。ただし、いい大人(アラフォー以降)ともなると、似合いにくい色が出てきます。着こなし難易度が高いのは、意外にも黒、ネイビー、カーキといったダークな色。男はつい選びがちですが、重い色を頭に乗せると額縁効果で肌のくすみやシワが目立ってきます。さらに真夏が近づくにつれ、人に暑苦しく思われる確立もグンとアップ。何でも似合った若い頃とは発想を切り替えましょう。明るい色で顔の印象を散らして装いをクリーンに見せるのが、大人のキャップ選びのコツです。

コーデの基本的な考え方は、「シックな服装を帽子でスポーティに着崩す」。服と色合わせしなくても、案外サマになるものです。上の写真はアメリカで製造された、フランスの「A.P.C.(アー・ペー・セー)」の真っ白なキャップ。カレッジやベースボールの伝統と、A.P.C.らしいハイセンスなグラフィックが融合しています。フロントの裏に固い芯がついたタイプで、型崩れせずにシャープなフォルムを維持できます。ここで組ませた服は、カーキのハイゲージ・ミリタリーニット。相性がいいカーキ✕白のベーシックな色合わせです。

丈夫なコットンツイル生地のキャップ。アジャスターは高級感のあるメタル金具。

記事冒頭のキャップ ¥15,120(税込)、クルーネックニット ¥24,840(税込)/ともにA.P.C.(アー・ペー・セー カスタマーサービス TEL:03-3710-7033)

1 / 2p