写真:宇田川 淳
Vol.32 写真家の小浪次郎もリスペクトする、ストリート世代の大人好みなブランドが人気上昇中です。
セレクトショップに行き、服を見て回っている時、なにげなく手に取るものがいつも同じブランドだったって経験はありませんか? 派手さはなくても、色や素材が気分にフィットする服。着るだけで現代的なお洒落ができて、ワードローブに加えたくなる服。ここにご紹介する「ヴァイナル アーカイブ」も、そのような “気の利いた服” です。
コアなファンが増えている理由のひとつは、旬のビッグサイズのシルエットを都会的に仕立てるセンスのよさにあります。「いますぐ着たい」と感じる服が充実しているのです。さらに、アラフォーな大人がかつて夢中だった、90年代ストリートの感性が息づいていることも見逃せません。コーチジャケット、ルーズなパンツ、パーカ、キャップ、スニーカーといったスポーツやアウドドアのエッセンスが軸にあります。コレクションのルック写真も、夜の街を疾走するスケートボーダーをラフに写し取ったような90年代感覚です。これらの要素は現在、トレンドとしてリバイバルしており、若者にも支持されるカルチャーシーンの一翼を支えています。
上の写真の春夏モノも、懐かしさと新しさとが同居するアイテムです。コーチジャケットは身幅も袖も分量がたっぷりで、ハーフコートの着丈。第一織物の化繊生地「ディクロス」を採用し、撥水性、通気性といった機能が強化されています。ドローストラップでウエストを絞るイージーパンツは、2タック入りのルーズな形。英国調のストライプも今季らしい柄です。着こなしの決め手になるのは、「ポーター」とのコラボバッグ。斜めがけすることで、イマどきなスタイリングが完成します。