写真:宇田川 淳
Vol.20 吸水性バツグンの今治製タオルが服になったら、ビーチでも街中でもヘビロテのカッコよさ!
前(写真左)と後ろ(写真右)とを並べた色違いの2枚のTシャツはともに、異素材を何種類も組み合わせた、今どきのモードT。たっぷりとしたカタチとグラフィカルな配色を見ただけでも、「着てみたい」と思わせるパワーがあります。でもそれだけでこの服を評価するのはまだ早い。実は素材に大きな秘密が隠されているのです。どこかって?答えは、面積の広い前身頃の生地。ここがなんと、あの今治製タオルなんです!
見た目でOK派もウンチク派も、皆が心を動かされること間違いナシのこのTシャツ。手掛けたのは、2016年にスタートした新鋭の「シング ファブリックス(THING FABRICS)」。愛媛県・今治市出身のベテランデザイナー、藤原昌浩さんが地元の工場とともに、海外に通用する服を生み出すべく立ち上げたブランドです。
この記事の中で、「今治タオル」でなく「今治製タオル」と表記していることにお気づきですか?シング ファブリックスの大半のアイテムは、今治タオルと名乗れる認可を受けています。1cm四方の布を水に浮かべて5秒以内に沈むことなどの厳しい検査基準をクリアしています。ですがここに掲載しているTシャツは、後ろ身頃が麻やカットソーなどの異素材。前身頃のみがパイル地(タオル地)ですから、製品の95%以上に今治タオルを使わないと名乗れない、今治タオル製品とは認定されていないのです。
難しい話が続きましたが……このパイル地が今治の一流工場で製造された高品位なものなのは間違いない事実。汗をかいたら思わず袖で顔を拭きたくなる、ふわふわの生地です。タウンユースはもちろん、体が濡れるビーチでのリゾート着としてもお役立ち!