夏のオトコはTシャツじゃなく “半袖ニット” が新常識...
構成、文:高橋一史
写真:宇田川 淳

Vol.19 夏のオトコはTシャツじゃなく “半袖ニット” が新常識 !? 世界の高級ニットブランドからも続々と登場。

JOHN SMEDLEY

毎年夏になるたび、ラフな服装と分かっていても、ついTシャツばかり着てしまうのが我が日本のオトコたちの習性。サッと頭から被り、そのまま床に寝転び、汚れたら脱いで洗濯機に放り込めるとなれば、“夏のド定番” になるのもやむなしです。しかし今年は、その傾向にやや異変あり。高感度なファッションブランドがこぞって、繊細な夏向けのニットをリリースしてるんです。中でも多く見かけるのは、オトコにはあまり馴染みがなかった丸首の半袖ニット。素材はウールではなく、コットンや麻が用いられています。さらっと上品な雰囲気をつくれる半袖ニットは、レディスならごく当たり前のアイテムですが、いよいよメンズに本格進出してきました!

その理由の一つをファッションデザインの観点から見ると、男女の境界線がない「ジェンダーレス」スタイルが広まったことが考えられます。さらにそのこと以上に、「1ランク上の服を着たい」、と望む人が増えてきたことが大きいでしょう。仕事中にネクタイを締めなくていい人が、Tシャツやポロシャツより品格のある服装を求め、半袖ニットに関心を寄せているのです。スポーティなのにシック、という絶妙なバランスがキモです。今回はイギリス、イタリア、日本の高級ニットブランドから登場した丸首タイプをご紹介します。

上の写真はイギリスを代表する老舗で、我が国でも長年にわたる愛用者が多い「ジョン スメドレー」のもの。グレーと白はカタチは異なりますが、どちらも世界最高ランクに位置する「シーアイランドコットン」の糸で編まれています。網目が細かいハイゲージで、着たときにストレスがなく、とろっとした滑らかさに身体が包まれます。グレーは袖と裾がリブ編みの、ニットらしい基本形モデル。フロントとバックのセンターの網目が切り替わっており、モードな雰囲気も漂います。かたや白は高級品には珍しく、袖先も裾もストレートな仕上げ。両袖は肩線から直線的に袖先まで延びている、「Tシャツ型」です。ゆったりとしたシルエットの親しみやすさもあり、普段のTシャツからチェンジしやすいでしょう。ジョン スメドレーのコットンニットは、ていねいに扱えば自宅で水洗いできるのもセールスポイント。気軽に毎日着られる実用性のある逸品です。

続く次ページでは、注目すべき2ブランドにフォーカスします。

網目の数を調整する「減らし目」により、脇下が動きやすく滑らかな仕上がりに。
白ニット ¥29,160、グレーニット ¥28,080/ともにジョン スメドレー
問い合わせ先/リーミルズ エージェンシー
TEL:03-3473-7007

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