これからの季節にピッタリな一足が登場だ。ご覧の逸品は、1774年創業の老舗中の老舗ビルケンシュトックと、イギリス人のデザイナー、フェイ・トゥーグッドが手を組んだもの。

インテリアの世界では高い知名度を誇るデザイナー、フェイ・トゥーグッド。もこもことしたボリューム感のあるソファや丸みのあるテーブルにチェアなど、時に不揃いで有機的なアプローチの作品で知られている。自身の名を冠したウエアブランド「Toogood」も好調で、こちらでもシルエットの強弱を活かしながら、ミニマルかつシンプルなデザインで人気を集めている。

ビルケンシュトックのハイエンドライン「1774」からリリースされた当コレクションは、いずれも装い全体にインパクトをもたらしてくれるものばかりが揃う。

大人でもすんなり履ける一足として目をつけたのは、定番モデル「アリゾナ」をベースにしたもの。直線と円系のデザインを取り入れて、彫刻的な美しさを宿している。素材は意外性のあるウールフェルトを使用。このテクスチャーはオーガニックでナチュラルなムードを助長し、凛とした緊張感を後押しする。夏の装いをモードに格上げしてくれる一足だ。

ものによってはすでに完売したものも。見慣れたデザインだが、どこか違う、そのようなアイテムは探すとなかなかない。おいそれと手軽に買えるプライスではないのだが、このデザインであれば納得だ。

ほかにもクッション入りのレザーをアッパーに使用したボリューム感が“らしい”一足なども展開。レザーとキャンバスを大胆に使用した、ド迫力のベッド（！）も登場。気になった方はぜひウェブサイトをチェックして欲しい。

ダウンアウターを筆頭に、ラグジュアリーセグメントでの支持を高めている「モンクレール」。ゲストデザイナーを迎えて送るコレクション「モンクレール ジーニアス」も、2018年の始動時から変わらぬ人気ぶり。特に、数々の賞レースを賑わせてきた実力派デザイナー、クレイグ・グリーンとの共作は出るたびに注目の的となっている。

ピックアップしたのはビビッドな色の切り替えが目を引くナイロンコート。建築的なアプローチが得意な彼らしく、ボディの曲線と比翼仕立ての前立てが独特なリズムを生んでいる。オリジナルプリントで、一から生地を作っているのだからすごい。レッドとネイビーの間には、イエローのステッチが入りアートな洗練を与えている。

生地は廃棄物から再利用されたナイロン「エコニール」が使われている。シルエットは膝まで伸びたロング丈で、圧倒的な存在感。装いの主役となるのは間違いなく、イマどきなスポーツミックススタイルをつくるにはもってこいのアイテムだ。防水機能がついているわけではないが、小雨程度なら弾いてくれるので、梅雨時にも活躍が見込める。「それどこの？」と突っ込まれることは間違いなく、話題性という点でもポイントは高い。

他にも、これからの時期にぴったりなインパクトのあるTシャツや、トートバッグにスニーカーまで展開。気になった方は、まずはウェブサイトをチェックしてほしい。

ニューノーマルなライフスタイルのもとで、ファッションはよりエフォートレスでファンクショナルに進化中。サングラスも例外ではなく、「プラダ」の新作「Prada Titanio（プラダ チタニオ）」は、軽くて、硬くて、錆びにくいというチタンを用いたもの。ブランドのサングラスとしては初めて扱う素材で、至極軽量な仕上がりだ。

今回ピックアップしたのは、日本限定のもの。生産は、日本が世界に誇る眼鏡の生産地である鯖江市にて行われている。堅牢でありながら、軽く、特有の銀灰色の光沢を持つチタンは、ラグジュアリーブランドの中でもとびきり洗練されたミニマルなイメージを持つ「プラダ」とは好相性。どこかレトロなフルリムのメガネを、プラダらしくミニマルにデザインしている。

レンズは紫外線だけでなくブルーライトもカットするものを使用。少しだけアンバーな色がつけてあって、この控えめさもまた洒落心をくすぐるってくれる。デイリー使いにもおすすめだ。

形はラウンドシェイプの「パントス」と長方形の「レクタングル」の2種。レギュラーコレクションのレンズカラーはスレートグレー、ブルーグレー、モーブ、カメリアの4色を展開。これから日差しが強くなるサマーシーズンに向けてぴったりな一本だ。

クリエイティブ・ディレクター、フランチェスコ・リッソのもとで新たなファンを獲得している「マルニ」。この度、2021年4月22日まで、渋谷PARCOにて初のポップアップストアをオープンさせる。ここに集めたのは、そこに登場する日本限定アイテムだ。

今季のテーマは「MARNIFESTO（マルニフェスト）」。容易に集まれなからこそ、ファッションでつながろう、というメッセージを感じるコレクションとなっており、ピックアップした日本限定アイテムにも、ファンのコミュニティを示す「MARNI LOVER」や「THOUGHTFULNESS（思いやり）」など、つながりを感じさせる文字が並ぶ。ラフィア素材を用いたトートは、季節感の演出にはもってこいのアイテムで、丸みとボリュームのある「マルニ」らしい逸品。シンプルなナイロントートは表と裏で色を変えてあり、さりげない遊びが洒落心をくすぐる。刺繍やプリントのフォントもキッチュで、存在感は抜群だ。

このアイテムのほかにも、ハンドペイントされたトランクバッグなど、手の込んだ逸品も登場。もちろん、2021春夏コレクションの新作も揃う。会場は大胆なペイントを駆使したダイナミックな内装で、こちらにも注目だ。

「マルニ」が志す世界観を体感できるポップアップストア、限定アイテムとともにぜひともチェックしてもらいたい。

レザーを用いたライダーズジャケットも、ファッションとして街で着るために、ずいぶんと着やすくなった。薄くて軽く仕立てたものが揃う昨今だが、「エンポリオ アルマーニ」の新作はひと味違う。ご覧の通り、風が吹けばふわっとなびくほどに軽いのだ。

今春夏は“Building Dialogues”という言葉を当てた、都市空間とのつながりを改めて模索したコレクションとなっている。

メンズファッションの普遍的なアイテムのひとつであるライダーズも、軽やかなポリエステルで現代的にアップデートされた。表面には微細な織り柄が入り、光沢と相まって、高級感ある見た目に。至極軽やかな素材だが、仕立ての技によって着用すると構築的なシルエットを形成する。ジップも細く繊細なものが使われており、これもミニマルな表情に拍車をかける。

軽やかな素材ながら、形そのものはオーセンティックなダブルブレストのライダーズなので、しっかりと引き締まった印象を与えることができるのだ。しかも、堅苦しさは抜きにして。

シャツのように軽いので、ジャケットのインナーにしてレイヤードの妙味を効かせるのも面白い。アウターとして着る際は、白Tシャツにデニムのようなシンプルな装いに合わせるのがいまどきだろう。エンポリオらしいモダンなスポーティさを付与して格上げしてくれる、エフォートレスな時流にあったアウターの登場だ。