「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の際立った特徴は、中空に造形されたラグが8角形のミドルケースを上下から挟み込むダイナミックな構造にある。このため別素材の組み合わせが可能となり、2020年に色違いのゴールドをコンビネーションしたモデルを追加。そして2021年の新作では、クロノグラフのミドルケースにブラックセラミックが採用された。
セラミックは表面硬度が極めて高く、傷がつきにくいという特性があることから、一般的には外部と接触するベゼルなどに使用される素材だ。これをミドルケースに使用するケースは珍しいが、金属とは異なった質感が加わることで、新しい雰囲気が生まれたといっていい。だからといって手を抜くわけではなく、原料の酸化ジルコニウムを特殊な方法でさらに強化。高硬度で焼結したセラミックをダイヤモンドツールで加工後に、熟練職人が手作業で磨き上げている。こうした綿密な工程が高品質につながるのである。
ミドルケースにブラックセラミックを採用した2021年の最新クロノグラフ。ベゼル・ラグと裏蓋は18Kピンクゴールド。ダイヤルもスモークグレーなので、ケースの構造がよくわかる。
18Kホワイトゴールドをベースにしたバージョン。ブラックセラミックのミドルケースとスモークグレーのダイヤルが呼応して、シャープでモダンな印象。
ケースバックから見られるクロノグラフのムーブメントも、自社開発の「キャリバー4401」を搭載。ベースムーブメントにクロノ機構を載せるモジュールスタイルではなく、ゼロから設計する一体型。複雑時計を得意とする屈指のマニュファクチュール、オーデマ ピゲの意欲が漲る最新鋭のクロノグラフ専用ムーブメントだ。コラムホイール式の垂直クラッチなので、プッシュボタンは軽快で針飛びの怖れもない。計測途中でも瞬時にリスタートできるフライバック機構も備えている。特許取得のゼロリセットメカニズムで、すべての指針がぴたりとゼロ位置に戻るのも心地よく感じる。
ブラックセラミックのモデルは、18Kホワイトゴールドと18Kピンクゴールドの2タイプ。どらちもダイヤルはヘアライン加工のスモークグレーなので、ベゼルとラグのラインが美しく映える。洗練された造形美が、セラミックという異素材でさらにアップグレードしたといえるだろう。
フライバック機構を備えたクロノグラフ・ムーブメント「キャリバー4401」を搭載。モジュール方式でなく一体型で開発された新作。その動きを視認できるだけなく、繊細な彫り模様などを楽しめる。オープンワークが施されたローターは22Kゴールド製。
ブラックセラミックのミドルケースに、スモークグレーダイヤルと18Kピンクゴールドのベゼル・ラグ、裏蓋を組み合わせたモデル。ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間(約3日間)、¥4,950,000(税込)
それだけなく、オーデマ ピゲブティックの2Fにあるカスタマーサービスではストラップを数多くラインアップした専用サロンを新設。多彩なカラーバリエーションはもちろん、アリゲーターやカーフ、ラバーなどの素材も豊富に揃えている。来店する時間的余裕がない場合は、ストラップ交換を全国どこからでも配送無料で受け付けてくれる。汗じみや傷みなどによる単純な交換に限らず、ストラップを別のタイプにするだけで腕時計全体の印象が大きく変わるので、より個性的な組み合わせにチャレンジできる。
また、オーデマ ピゲ カスタマーサービスでは最新のVRシステムを活用し、スイスのル・ブラッシュにある本社工房での腕時計づくりを、日本に居ながら体験できるサービスを開始した。「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を組み上げていく各種作業を疑似体験できる。製作工程でさまざまな開発秘話なども特別に披露されるので、興味のある人はぜひ利用していただきたい。腕時計を持つ喜びや楽しみがさらに深まるはずだ。
オーデマ ピゲ ブティックではストラップの品揃えを充実した専用サロンを新設。
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」だけでなく「ロイヤル オーク」「ロイヤル オーク オフショア」をはじめとするオーデマ ピゲの各種モデルに対応。素材やカラーバリエーションも豊富だ。