ハワイ語で「天国にふさわしい館」を意味する「ハレクラニ」。その物語は、1883年にハワイのワイキキビーチに建てられた小さなビーチハウスから始まる。当時の所有者が地元の漁師をねぎらうために一部を開放したところ、温かいもてなしを受けた彼らの間で、「ハレクラニ」と呼ばれるようになったという。1917年、正式に「ハレクラニ」と名付けられ、ホテルハレクラニが誕生。世界のセレブリティに愛される名門のラグジュアリーリゾートとして華やかな歴史を歩み続けてきた。
1世紀にわたりハワイで培ってきたレガシーを受け継ぎ、この日本の地で開業した「ハレクラニ沖縄」。世界中でさまざまな候補地が浮かんでは消え、約30年をかけてたどり着いた第2の楽園が、沖縄県恩納村(おんなそん)だった。豊かな自然が守られてきた沖縄海岸国定公園内に有する約8万7000㎡の敷地は、ハワイの4倍近くの広さ。壮大なスケールで描く新たな物語の始まりに、国内外から熱い視線が注がれている。
沖縄の雄大な自然を活かし、次なる100年の物語を。
岬の突端という地形を活かし両翼に分かれた宿泊棟は、天然温泉を備えた5室のヴィラと47室のスイートを含む全360室。客室は、海への眺望を最大限に切り取るため、敷地に沿わせて建物を細かく分け、全室オーシャンビューを実現した。空間デザインはニューヨークのシャンパリモー・デザイン、景観はハワイのベルト・コリンズが手がけ、恩納村の雄大な自然に調和するように赤瓦や花ブロックなど沖縄のエッセンスを加えている。特筆すべきは、ハワイから継承された「セブン・シェイズ・オブ・ホワイト」を採り入れた内装だ。オフホワイトやアイボリー、ライトベージュなど7つのトーンの優しい白が、海と空の青のみならず、移ろう影の美しさを際立たせる。
食のシーンを彩るのは、ミシュラン2つ星「フロリレージュ」の川手寛康シェフが監修する「シルー」をはじめとする、4つのダイニングとバー。ハワイで生まれた伝説のメニューや、沖縄食材を活かした独創的な味の数々が旅の記憶に色濃く残るはずだ。
この地にハレクラニを導いたものは、ハワイと共通する歴史背景や人の温かさにもあるという。ホテルの核となってきた「オハナ(家族)の精神」は、沖縄でも確実に受け継がれ、沖縄らしいおもてなしの心と合わさった。家族のような信頼で結ばれたスタッフがイキイキと働き、家族を思うような心でゲストを迎えている。沖縄で着々と動き始めたハレクラニの第2章。楽園リゾートを象徴するカトレアのごとく大輪の花を咲かせるのだろう。
※Pen2021年2/15号「物語のあるホテルへ。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。
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ハレクラニ沖縄
沖縄県国頭郡恩納村名嘉真1967-1
TEL:098-953-8600 全360室
デラックスオーシャンビューツイン¥75,823(税・サービス料込)~、ハレクラニスイート¥1,003,101(税・サービス料込)〜、クリフヴィラ¥258,544(税・サービス料込)〜
アクセス:那覇空港からクルマで約75分
www.okinawa.halekulani.com