再開したブンデスリーガ、サッカーファンは段ボール製の分身で応援⁈【コロナと闘う世界の都市から】
ドイツでは新型コロナウイルス感染拡大防止措置の緩和に伴い、サッカーファン待望のリーグ戦が再開された。試合までの間、選手や監督は外出を控え、試合当日か前日にPCR検査を受ける。控えの選手は原則的にマスク着用(1.5mの距離をとる限りは着用義務はない)など、細かな取り決めがある。極めつけは、ゴールが決まっても選手同士は距離をとり、静かに歓声をあげる、というルール。盛り上がりに欠けることこの上ない。
しかしファンにとって最も辛いのは、スタジアムに足を運べないことだ。ドイツ語で「幽霊試合」と言われる無観客試合。選手にとっても、観客の熱気が感じられない空っぽのスタジアムでは気合が入らない。そのため、歓声や拍手を送ることができるアプリが開発されたり、スポーツチャンネルでは試合の流れに応じて、ファンの歌声や歓声が流れるオーディオ・オプションを出している。
なかでも話題になったのは、サッカークラブチーム、ボルシアMGが行った「段ボールの同志たち」だ。ファンがスタジアムの観客席に段ボール製の「分身」を設置できるというもので、顔写真を送って19ユーロ払うとスタジアムに分身を設置してもらえて、チームのサポートにもなる。6月4日の閉幕までに、約2万1千人がこの「段ボールの同志たち」を注文したという。ボルシアMGは初戦でアイントラハト・フランクフルトに3対1で勝ち、その後、負けと引き分けを挟んで、ウニオン・ベルリンには4対1と絶好調。それも段ボール製のファンの応援のおかげかもしれない。