オフの予定は決めきらず、
その瞬間にしたいことを大切にする。
各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、リラックス法などについて聞く連載「MY Relax Time」。第4回は、先日まで新シリーズがオンエアされていた「刑事7人」をはじめ、ドラマや映画などで活躍する俳優の塚本高史さん。仕事への向き合い方や休暇の過ごし方を中心に語ってもらいました。
写真:殿村誠士 スタイリング:上井大輔 ヘア&メイク:林ヨウジ 構成:和田達彦
役づくりの際には、等身大の役が比較的多いので、あまり考えすぎず、できるだけ直感を信じて、そのときのインスピレーションにまかせるようにしています。ただ、30代半ばになって”男の渋み”みたいなものを意識するようになりました。20代の頃は、「依頼された役は何でもやってやろう」と思っていて、逆に言えばこういう役がやりたいというものは特になかったのですが、最近は”いまの自分にしかできない役”がやりたいと思っています。またデビューしてしばらくは、いただいた仕事はすべて断らずに引き受けていましたが、要求されるものが大きくなってくると、かけもちしていては全力を出し切れない。だからひとつの仕事に集中して、終わったら次の仕事に取り組む。15年ぐらい前からはそういうスタンスでやっています。
ひとつの仕事が終わると、いったんリセット。その期間に次の仕事の準備をしつつ、撮影中には忙しくて会えなかった友人と食事をしたり、行けなかった場所に出かけたり。ある程度まとまった休みが取れたら、家族と温泉に行ったり、海外へ遊びに行ったりもします。前もって計画を立てるというよりは、思いたって出かけることが多いですね。また普段の気分転換法は、ギターを弾くこと。これもルーティンにはせず、あえて弾く時間は決めていません。その瞬間でしたいと思ったことをやるのがオフの過ごし方です。ギターはバンドでも弾いていますが、バンドのメンバーとしての自分という意識は、普段の役者としての自分とは違った感覚が味わえて面白い。だから音楽にも力を入れていきたいですね。
気分転換法と言えば、たばこもそうですね。喫煙者が多いお酒の席ではたまに紙巻きたばこも吸いますが、それ以外の状況では基本的に加熱式たばこを吸っています。いずれにしても、たばこはちゃんと吸える環境で落ち着いてゆっくり楽しむものだと思います。歩きたばこみたいなのは論外ですが、禁止区域でなくても、セカセカと吸うのは嫌ですね。特に好きなシチュエーションは、撮影の休憩時間に、喫煙所で共演者やスタッフと話をしながらの一服。ああいう場所って、みんなそこにいたいからいるわけで、そこにいるもの同士で何となく連帯感みたいなものが生まれるんですよね。
『輪違屋糸里 京女たちの幕末』
監督:加島幹也
出演:藤野涼子・溝端淳平・松井玲奈・佐藤隆太・田畑智子・塚本高史 ほか
2018年 日本映画
12月15日より全国の映画館で順次公開。
問い合わせ先/JT