本に囲まれて過ごせるホテル「箱根本箱」は、誰にも邪魔されずに読書に耽り...

本に囲まれて過ごせるホテル「箱根本箱」は、誰にも邪魔されずに読書に耽りたいブックラバーの天国です。  

文:小川 彩

ブックホテル「箱根本箱」のメインロビー。1万2000冊の蔵書が旅人を迎えます。

2018年、箱根・強羅温泉にブックラバーにとって夢のようなブックホテル「箱根本箱」がオープンしました。プロデュースは新潟・大沢山温泉の「里山十帖」や、滋賀・大津の「講 大津百町」などを手がけてきた、雑誌『自遊人』の編集長でクリエイティブディレクターの岩佐十良(とおる)。もともとこの施設が出版流通に縁のある企業の保養施設だったことから、ホテルのテーマは自然と「本」になりました。「ふらっと立ち寄り、手に取った本から新しい世界や、興味分野をより掘り下げられる。かつて駅前の本屋さんが担っていた、そんな幸せな本との出合いづくりを宿が提供できれば」という岩佐の発想から、「本と人との出合いの場」というコンセプトが生まれたそうです。

ホテルに足を踏み入れると、まず吹き抜けのラウンジ両脇の壁に詰まった書籍の量に圧倒されます。1階から2階にかけて「衣・食・住・遊・休・知」をテーマに、文庫や新書のように手軽な読み物から、ハードカバーの美しいビジュアルブックまでと幅広い顔ぶれです。セレクトとディスプレイを担当するのは、ブックディレクションブランド「YOURS BOOK STORE」のディレクター、染谷拓郎。選書と本棚のメンテナンスを月に数回のペースで行っているので、読みたかった旬の一冊から、マニアックな一冊まで、背を眺めているだけでもさまざまな発見がありそうです。


すべての書籍は、自由に手に取ってラウンジやゲストルームで読めるだけでなく、購入することも可能。

大きな吹き抜けのあるロビーの窓からは、気持ちのよいマウンテンビューが望めます。

2階ラウンジにあるコーナー「あの人の本箱」。それぞれの選者による書籍のラインアップを眺めているだけでも楽しくなってきます。

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