映画『愛しのフリーダ』は、ビートルズという「人生」を教えてくれる。
このドキュメンタリーの主役は、フリーダ・ケリーという女性です。かのビートルズがまだアマチュアだったころから彼らをファンとして支え、プロになってからは秘書として支えた、ファンの間では有名な存在。女性ファンの間では当時、いつもビートルズの近くにいられるということから羨望の的でもありました。
本作では、彼女がビートルズに出会った1961年から現在までを、自宅の屋根裏でひっそりと眠っていた彼女保管の貴重な資料やスクラップ、ファンレターなどとともに、近くにいた彼女にしか知り得ないエピソードを語りながら辿ります。
「ビートルズ大好き!」というビートルマニアには垂涎。「ビートルズ? うーん、まぁまぁ嫌いじゃない」というニュージェネレーションには、彼らの群像劇が、永遠と思える人生がいかにもろく、儚く、短いものかということを胸に訴えかけるはずです。
ビートルズがビートルズとして活動したのはたった10年間。その後、ジョン・レノンは富と名声を手に入れるも、若くして凶弾に倒れます。リンゴ・スターは家族に重きをおいた人生を選択しますが、よきパートナーだった妻はもうこの世にはいません。解散後、彼ら自身の道を歩んでいった彼らの人生を辿ると、ともに過ごせた10年がいかに奇跡的だったかを実感させます。
もはやメンバーの半分と重要関係者らは他界。この映画を観るということは、この世を駆け抜けたビートルズといういくつかの人生を見本に、生きる上で何が大切なのか?ということを自分に問いかけるいい時間ともなるでしょう。
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Courtesy of Freda Kelly
『愛しのフリーダ』
監督:ライアン・ホワイト
出演:フリーダ・ケリー
2013年 アメリカ、イギリス映画 1時間26分
配給:角川書店
12月7日より角川シネマ有楽町ほか全国順次ロードショー