運河の街アムステルダムには、船が通行する時だけ開く、可動式の“跳ね橋”が数多くある。その開閉の操作が自動化されたことで役目を失った橋の管理棟を、1室のみの小さな宿に改装した「スイーツ・ホテル」が話題だ。「ロビーは街。跳ね橋のたもとの管理棟がベッドルーム」という斬新なコンセプトのこのホテルは、市内各地で現在11室が営業中。来年以降、さらに17室がオープンする。管理棟の築年は17世紀から約10年前とさまざま。それぞれの棟の建物を活かして、小さな空間をいかにうまく利用しているかのアイデアも見どころのひとつだ。棟の外観は見慣れている市民からも「一度泊まってみたい!」と言う声が多く上がっている。HPはこちらから→www.sweetshotel.amsterdam

味噌を隠し味にしたライ麦パンやハーブ入りのデニッシュなど、新しい北欧料理の流れを汲み、伝統的なデンマークのパンを現代風に解釈したベーカリーが続々とオープンしている。なかでも人気を集めるのが、コペンハーゲンに隣接するフレデリクスベア地区に開店した「ハート・ベアリィ」だ。ベストレストランの常連「ノーマ」と提携。オープン前の準備期間に「ノーマ」で出すパンを卸していたことでも話題を呼んだ。店主は、サンフランシスコの伝説的ベーカリー「タルティーヌ」でシェフを務めた人物。辞めてから欧州中を巡り、北欧に出店した。ゴツゴツした田舎パンや週末限定のケーキはどれも素朴なおいしさが光る。名店お墨付きの味をお試しあれ。

1998年、イケアが北京に中国第1号店をオープン。それから20年が経ち、「誰の家にもひとつはイケアがある」と言われるほど北欧デザインは中国都市部で浸透した。さらに昨年、なんと中国発の北欧雑貨ブランドも登場。それが「諾米（ヌオミィ）」だ。北京など大都市を中心に1年余りで50店舗以上開店し、その急成長が話題となっている。デザインの拠点はスウェーデンの首都ストックホルムに置き、そこでデザイナーが製品を開発。生産・販売は中国で行う。家具ではなく文具など単価の安い雑貨を幅広く展開するのが特徴だ。小型店舗を各地に多数出店しているため、気軽に買い物できるのも大きな魅力。北欧ブームは当分収まりそうにない。

デザイン界の寵児オラ・イトと、社会貢献や多数のテレビ出演でフランス国民に大人気の2つ星シェフ、ティエリー・マルクス。話題のふたりがタッグを組んだファストフード店がオープンした。
オラ・イトは、テーブルが壁や天井に続く印象的な空間をデザイン。一方シェフのマルクスが提案するのは、そば粉のパンケーキに、野菜やアイスなど、挟む具材で軽食にもおやつにもなる「マルクシト」。1870年から続くムーラン・ド・ラ・ファティーグ社のそば粉、こだわりの生産者から仕入れる有機野菜、コルシカの手づくりジャムやフランス最優秀職人がつくるアイスまで、素材選びも味も一流。ジャンクじゃない、身体にも優しいファストフードの誕生だ。

2017年に開業したブルックリンのウィリアムズバーグ・ホテル。ホテルの計画発表時から目玉だった屋上のバーラウンジ「ザ・ウォーター・タワー」が満を持してオープンし、話題を呼んでいる。　
その名の通り、ニューヨークの風景のアイコンである給水塔を模したユニークな外観が特徴。インダストリアルな見た目とは打って変わって、バーはカラフルなベルベッドのソファが点在し、ポップアートが壁を飾るキッチュなインテリア。壁一面のガラス窓からは、マンハッタンを一望できるゴージャスな景色が楽しめるとあって、新年のカウントダウンは人気殺到間違いなし。全45席と、決して大きな店ではないので、予約がお薦めだ。