『ビジネスモデル2.0図鑑』
近藤哲朗 著
成功した100の企業の儲ける仕組みが図解された!
ピョートル・フェリクス・グジバチ 未来創造企業 プロノイア・グループ経営「一石百鳥」とはまさにこの一冊のこと。日々荒波のように訪れる社会変化や顧客ニーズに対して、注目のスタートアップや大企業がどのようなビジネスモデルを設計したのか、計100例を徹底的に可視化している。
近年、デジタルシフト、AI、イノベーション、CSRという単語をよく聞くが、それらを掲げる企業の多くは言葉だけが流行に乗り、その実態は不透明だ。ゆえに個人、組織、社会のすべてがユーザーに可視化される現代で、成功するのは軸がしっかりとしたビジネス。軸とはどんなミッションでどんなテクノロジーを使い、どんな貢献をするかという目的のこと。金儲けの強欲主義でなく、社会に貢献する利他主義が根本にある時代なのだ。
実際これまでは、儲けの仕組みやどんな経済効果があるかの定説を示す本が多かった。しかし本書で紹介するのは、利他主義でありながら常識を破る企業だ。フェイスブック、エアビーアンドビー、ウーバー。いまや誰もが知る社会的貢献度も高い大企業だが、ひと昔前は愚かな考えとしか認識されなかった。短期間でどうやってここまで成長を遂げたのか?
逆説的ビジネスモデルだ。本書に登場する、アフリカで電気の量り売りをするベンチャー企業のWASSHAを例として挙げよう。日本で電気の利用といえば、契約してから利用した従量課金という定説があるが、電気が届かない途上国はどうなるか? このビジネスのすごいところは、「前払い式で払った分だけ使う」仕組みをつくり、10億人へ電化による豊かさを提供。さらに貧困解消にも貢献することだ。
目先の仕事にとらわれていると視野が狭くなり、軸ではなく枠にはまっていることがある。本書はビジネスだけでなく、我々が日々消費・利用するもの、働く先にある価値の本質を問い立ててくる。じわじわと。
『ビジネスモデル2.0図鑑』
近藤哲朗 著
KADOKAWA
¥2,808(税込)