近年、コペンハーゲンを訪れる多くの観光客が泊まるのは、北欧らしいモダンな内装と家庭的なサービスを楽しめるブティック・ホテルだ。古くからある変電所の建物をリノベしてオープンした5つ星の「ホテル・ヘアマン K」もそのひとつ。コンクリートの壁など変電所の建築を活かしたスタイリッシュなデザインが話題だが、エココンシャスな点にも注目だ。国内で最も省エネの空調を設置し、省エネホテルの国際基準「グリーンキー」を遵守。朝食はすべてオーガニック食材を使用する。夕刻に行われるグラスワインの無料サービスやプライベートな観光ツアーなど、5つ星らしい充実したサービスも魅力。エコを気にする人にもお薦めの、快適なホテルだ。

マンハッタン南端のシーポート・ディストリクトは、ニューヨーク開拓の礎となった地域のひとつ。観光の聖地だったが、2012年のハリケーンによって壊滅的な被害を受けた。それから6年が経ち、急ピッチで再開発が進むこのエリアに、新しいホテルが誕生。カクテルのベリーニを考案したベネツィアのハリーズ・バーのオーナー一族、チプリアーニによる初のNY進出で、ヨーロピアンなデザインセンスとホスピタリティを反映したブティックホテルだ。　
石畳の残る町並みに調和した佇まいも美しく、併設のロビーバーやカクテルと同名のレストラン「ベリーニ」も好評。ヒップなエリアの先駆者的存在として、話題の中心になりそうだ。

今年スタートした中国の新コーヒーブランド「瑞幸咖啡（ラッキンコーヒー）」と1999年に上陸したスターバックスコーヒーが、激戦を繰り広げている。瑞幸咖啡は、実店舗はあるものの、デリバリーが中心。客はまずアプリをダウンロード、注文から決済までスマホで行い、自宅などに取り寄せる。対してスターバックスは心地よい店舗空間が売りだったが、いまは「瑞幸咖啡」に押され気味だ。　　
背景には、急速な食のデリバリー化がある。スマホで食事を注文する中国の消費者にとっては、コーヒーさえもその対象。実店舗のニーズは激減した。今秋からはスターバックスも一部でデリバリーを開始予定。中国において、コーヒーはデリバリー時代に突入した。

ベジタリアンが増え続けていたドイツだが、再びおいしい肉への欲求が高まっているのか、前菜からデザートまで全品に“肉”を使うレストラン「クンペル&コイレ・シュパイゼヴィルトシャフト」を精肉店がオープンして話題に。こだわりの精肉店が営むだけあってさまざまな種類を楽しめる。たとえば南ドイツ古来種の香り高い豚のタルタルにピクルス、スピリッツを添えた人気の「クンペル定食」をはじめ、旨味が濃いラム肉のグリル、舌の上でとろける鹿肉の煮込みなど。月替わりのメニューには、ストレートに肉を味わう料理が並ぶ。デザートには、豚の脂身を揚げた菓子やラードのクランブルといった珍しいものも。肉好きが集う人気スポットだ。

2015年のミラノ万博の際に完成するはずだった「シティライフ」のショッピングモールが、ついにオープンした。シティライフは、ミラノ中心に位置する16万㎡の土地の再開発プロジェクト。ダニエル・リベスキンド、ザハ・ハディド、磯崎新の3人の建築家が象徴的なオフィスタワーと集合住宅の設計を手がけており、モールもエリア内にある。
モールの入り口付近にはインテリアショップが並び、その奥にはスーパーマーケットやレストラン、カフェ、ギャラリーそしてファッションゾーンへとどんどん店が続いていく。建築散策にもってこいだったこのエリアに、新たにショッピングの楽しみが加わった。