【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
著者は北京生まれの小説家で、北京大学卒業後にアメリカへ留学。その後、英語で小説を執筆するようになった。本書は自身の実体験をもとにした小説だ。16歳で自殺した息子と小説家の母とが心の中で対話する。自分を責める母に、冷静な言葉を投げかける息子。母は何度もハッとさせられ希望を見出すが、すぐに聡明な息子が帰ってこないことに気付き、再び悲しみの沼へと落ちていく。ゆれ惑いながらも、時間は戻らないことを少しずつ納得していく母親の心を見事に描写する。
文筆家や漫画家、書店員らが披露する食や料理を取り上げた“おいしい本”。