ショッピングモールが立ち並ぶ国内随一の繁華街、オーチャードロード。その交差点の一角に、シンガポール発のローカルデザインを販売・支援するユニークな商業施設「デザイン オーチャード」がオープンした。緑あふれるオープンスペースの屋上がひと際目を引く建物で、設計を担当したのはシンガポールを拠点に国際的に活躍するWOHA。1階にはファッションや日用雑貨から家具まで、60以上ものローカルブランドが一堂に集められており、これほどに多様な地場ブランドがあったのかと驚くほど。2階はデザイナーのための起業支援スペースで、屋上は夜には円形劇場となりイベントやライブも行われる。シンガポールのいまに出合える新スポットだ。

近代デザインの祖とも言える「バウハウス」は、いかにして生まれ、発展したのか？　今年、創立100周年を迎えて再び注目が集まる中、バウハウスの成り立ちに影響を与えたさまざまな芸術運動にフォーカスを当てた展覧会が、ブレーハン美術館で開催されている。 『アーツ・アンド・クラフツからバウハウスへ』と銘打った展覧会は、日本の開国からスタートする。海を渡った日本の工芸品と、それに触発された英国人による、華美な装飾を抑えて幾何学的な形に仕上げた「和風」のデザイン。そしてアーツ・アンド・クラフツやドイツ工作連盟、デ・ステイルなどの、約300点にもおよぶ作品を一挙公開。バウハウスの歴史をより深く理解するのに役立つだろう。

ブルックリンにマインドフルネスな生活をテーマにしたスタジオ&ストア「ハピネスト」がオープンし、話題を呼んでいる。
マインドフルネスやメディテーションという言葉は日常的に聞かれるようになったが、ここは子どもも対象としているのが特徴で、保護者同伴なしの2、3歳児のクラスから用意されている。常にチャレンジを求められるニューヨークでは、自らの感情や周囲の環境を意識できるトレーニングは、早ければ早いほどいいという考えが広まってきた。メディテーションに関する商品を販売するショップも併設。若い家族が多いエリアとあって、大人から子どもまでみんなでハッピーになれるこのスペースは、連日予約でいっぱいだ。

イッタラやスヴェンスク・テンとのコラボをはじめ、ユニークな陶器やガラス作品で知られるカリーナ・セス・アンダーソン。昨年リニューアルしたスウェーデン国立美術館内のレストランでは、テーブルウェアを中心に家具のデザインも手がけており、いまや注目の的だ。そんな彼女は、埃まみれのスタジオに気軽に人を招待できないのが悩みだったが、このたび、自宅の近所によい物件が見つかりショールーム兼ショップとしてオープンさせた。自身がデザインした作品やユニークピースはもちろん、彼女が好きで集めていたアラビアの「ルスカ」や、お気に入りの日用品も販売している。デザイナー本人から制作秘話まで聞ける、贅沢な時間を過ごせる場だ。

17世紀のオランダ絵画を代表する巨匠・レンブラント。その没後350年を記念した特別展が、アムステルダム国立美術館で盛大に開催され、連日賑わいを見せている。レンブラントのコレクションとしては世界最大規模を誇る同館だが、今回初の試みとして、所蔵する全作品を一挙に公開。『アムステルダム国立美術館のレンブラントのすべて』という展覧会名の通り、400点近い作品数で見応えは十分だ。
代表作である『夜警』や『ユダヤの花嫁』はもちろん、作品を展示するだけでなく、ひとりの人間としてのレンブラントの生き様をも浮き彫りにするこの特別展。当時の慣習に背を向け、芸術史に新しい息吹を吹き込んだレンブラントの全容を知るまたとない好機だ。