ミラノ・デザインウィークの開催地としても知られるトルトーナ地区の歴史的製鉄所が大改修され、アートやデザイン、カルチャーの発展を目的とした複合施設「ベース」がオープンした。　

約6,000㎡の広大な敷地には、展覧会や映画の上映会、ワークショップなど文化的イベントを行うイベントスペースの他、アーティスト向けのゲストハウス、コワーキングカフェ、レストランなどがある。ゲストハウスのみアーティストが優先ではあるが、すべて一般の人も利用可能だ。グラフィック・デザインやソーシャルメディア向け動画撮影の講習会も行っており、新たな才能の育成にも積極的なこの施設。ミラノの文化的ハブになりそうだ。

プランタン百貨店メンズストアの最上階に高級食品館「プランタン・デュ・グー」が誕生した。7～8階の2フロアを占める大プロジェクトで、フランスならではの最高の味にこだわった品揃えが特徴だ。　

7階は、トリュフやフォアグラ、ワインなど、この国の食を代表する食料品をセレクト。8階は生鮮食品。1つ星シェフ、アクラム・ベナラル御用達の肉や魚、ゴントラン・シェリエのパン、MOFの称号をもつローラン・デュボワのチーズ、そしてクリストフ・ミシャラクのスイーツが一堂に集まる、美食の殿堂だ。さらに、その場で味わえるレストラン・スペースもある。パリの街並みを見下ろす2フロアは、デパ地下ならぬ、天空マルシェだ。

ご当地産がブランド化する昨今、パリ市が「メイド・イン・パリ」なモノをラベル化。昨年末に初の募集を行い、アートや食、テクノロジーなどの分野で、230を超える職人や企業が正式認定を受けた。　

その一軒が、フランク・ルロンのハムの店。厳選した豚のもも肉の骨を取り、布に包んでブイヨンで18時間茹でる「ジャンボン・ド・パリ」をつくる、唯一の認定業者だ。このハム、“パリのハム”という名称ながら、いまや市内でつくる店は少ないとあって、認定のニュースはメディアでも話題に。この道33年の店主による味わいは、塩分控えめのしっとりした美味。「認定を受けて嬉しいのは、お得意さんたちの誇らしげな顔」だそうだ。

この春、メルケル首相率いる大連立政権が発足。家族の呼び寄せが難しくなるなど、難民には厳しい規制がかかるようになった。シリア料理店「クロイツベルガー・ヒンメル」は、こうした状況を踏まえてオープン。シリアやアフガニスタンなど、数カ国の難民が共同で運営する。　

この店で難民は職業経験を得ることができ、市民との交流の場にもなっている。料理の指揮を執るのは、シリア人シェフのオスマン・アシティだ。サウジアラビアの5つ星ホテルで料理長を務めた経験があり、味はお墨付き。ハーブを多用したシリア料理の深い味わいに驚かされる。店は連日満席。味も取り組みもベルリンの人々の心を早速つかんだようだ。

話題のホテルが次々とオープンするノマド・エリアに新顔が現れた。ユースホステルの気軽さと低価格制に、洗練されたスタイルとサービスを取り入れた「フリーハンド・ホテル」だ。1928年に高級ホテルとして建てられ、その後はキース・ヘリングも暮らした学生寮となった歴史をもつこの建物。郊外にあるバードカレッジのアート学科と提携し、学生に活動の場をホテル内で提供するプログラムを展開するなど、建物の背景を活かすような試みも面白い。　

既に稼働中の2つのレストランとバーに加えて、まもなくコーヒースタンドとルーフトップバーもオープン。ニューヨークのコミュニティをのぞくことができる、絶好のスポットになりそうだ。