JFK空港内にあったTWA航空のターミナルを再生したTWAホテルは、昨年春に開業して以来、高い人気を誇っている。ニューヨーク州の歴史の継承と保護活動に貢献した建築物や空間に贈られる、2019年度の歴史保存アワードも受賞し、話題に事欠かないTWAホテルに、今度は冬季限定の屋外アイススケートリンクが登場した。
ホテルの中庭に設置されカクテルラウンジとして利用されている、1958年型ロッキード社製プロペラ機、通称コニー。スケートリンクはこの機体を囲むようにつくられており、いわば「滑走路で大滑走」がホテルの売り文句。ロックフェラーセンターのスケートリンクに負けない、新たな冬の風物詩として定着させる意気込みだ。

17世紀に開発された蒸気自動車、1886年に発明されたガソリン車、近年世界中で製造台数が増えている電気自動車。いまなお技術革新が進むクルマについて、生活や文化など多方面から検証する『自動車：現代社会を加速したもの』展が開催中だ。
カール・ベンツが製作した初期のガソリン自動車や、マセラティ社のキャビン・スクーターなどファン垂涎もののクラシックカーに加え、クルマがファッションや広告、環境に与えた影響まで幅広く取り上げる。未来を予想した空飛ぶクルマ「ポップアップ・ネクスト」の展示も大人気。過去から未来へ技術は進歩しているが、人々のクルマへの憧憬は変わらないことを痛感する展示だ。

毎年1月、アイ・ウェイウェイや塩田千春など、国際的に活躍するアーティストに、自由なアート制作を依頼してきたボン・マルシェ百貨店。5回目を迎える今年の招待作家はネンド。「雨のち花」をテーマに掲げ、佐藤オオキの感性で自然のサイクルを表現する。
本館中央の吹き抜けのエスカレーターホールでは、ガラス天井から落ちてくる真っ白な雨粒が花となり、また天へと帰っていくスペクタクルが繰り広げられる。2階では、傘を開くと地面に雨や花のイメージが投影される参加型のインスタレーション。セーヴル通りのウィンドーや、南西のエントランスにも作品が展示される。2020年の始まりを告げるにふさわしいポエティックなアートだ。

2025年までにCO2排出量ゼロを掲げるコペンハーゲン。化石燃料からの脱却を目指し、廃棄物などのバイオマス資源を利用した発電所を2017年より稼働させている。その屋上を人工スキー場やハイキングなどのレクリエーション施設に活用した「コペンヒル」が19年10月にオープン。設計は、デンマークを代表する建築家ビャルケ・インゲルス率いるBIGが担当。「この街には山がないから、発電所を山に見立て、人々の憩いの場をつくりたかった」と語るインゲルス。また、コペンハーゲン市長も「サステイナブルと、革新的な建築、レジャー施設の組み合わせが、都市の発展に貢献するはず」と自信をみせる。人魚像とともに、街のランドマークになるだろう。

イタリア北部のブレーシャに拠点を置くイタリア菓子業界の巨匠、イジニオ・マッサーリがミラノに店を出し、話題を呼んでいる。
マッサーリは2015年にパティスリーの国際大会である「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」で優勝、他にも200近くの賞を受賞し、イタリア随一の菓子マエストロとしての地位をもつ。ブリオッシュのようなパン生地の中に、カスタードクリームと生クリームが入った「マリトッツォ」が大人気。ボリュームたっぷりだがペロリと食べられるクリームが絶品で、午前中に売り切れになることも。店内では喫茶も楽しめ、いまミラノでいちばん流行りのカフェだ。ホリデーシーズンに向けたケーキも多数登場。