ポップなアート作品で環境問題を提起する、藤元明の個展『海ごみのあと/ Trace of Marine Debris』が開催中

  • 文:上村真徹
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社会現象や環境問題をモチーフとしたさまざまなアート・プロジェクトを展開し、「NEW RECYCLE」をテーマに日常の無駄・余剰をアートに昇華してきた藤元明。そんな彼が、「海ごみ」という途方もない問いにどのように向き合うかを表現したソロエキシビジョン『海ごみのあと』が、アートプロジェクトプロデュース集団「WATOWA GALLERY」によるプロデュースで5月5日より開催されている。


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藤元明(ふじもと・あきら)●1975年、東京生まれ。FABRICA(イタリア)に在籍後、東京藝術大学先端芸術表現科助手を経てアーティストとして国内外で活動。さまざまなメディアで作品展示やアートプロジェクトを展開。

この展覧会では、海ごみの「痕跡としてのあと」と「事後としてのあと」をコンセプトに、藤元が自ら海岸や海上に足を運んで採取した映像と、実際の海ごみやその再生素材を用いた作品を展示。70年代、NYアートシーンを席巻したゴードン・マッタ=クラークにもなぞらえられる『Last hope(海ごみのお好み焼き)シリーズ』や、海洋調査船に乗船し海ごみ調査の現場からインスピレーションを得た『Fountain#Neustonplastics』など、ポップかつ明快な表現で見る者の意識を開き、"関心"という小さいながらも重要な前進へとつなげる展覧会となっている。


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リファインバースが製造する海水中で使用された廃漁網等を原料にして生み出されたリサイクルナイロン樹脂REAMIDEを使用し、ジンズと共同で制作したサングラス「COUNTERCURRENT」。

さらに今回は、廃漁網を価値のあるものとして生まれ変わらせるプロジェクトとして、メガネメーカーのJINS(ジンズ)、さらに循環イノベーション企業リファインバースと協業。宮城県の廃漁網を100%活用した、添加剤不使用のサングラスを作成し、プロトタイプを展示している。アートだけではなくファッション、建築、アクティヴィズムなど幅広く活動し、表現手法を限定することなく社会への接続を試みるアート・プロジェクトを展開してきた、藤元明の真骨頂ともいうべき作品の数々をぜひ鑑賞したい。


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藤元明個展「海ごみのあと/ Trace of Marine Debris」

開催会場:elephant STUDIO 1F/ 2F(東京都渋谷区渋谷2-7-4)
開催期間:5月5日(水)~5月16日(日)
開催時間:12:00~19:00
エントランスフィー:¥500から自身で金額を決定するドネーションシステム。※5月9日はエントランス無料
※アポイント制。下記リンクより予約可能。
https://artsticker.app/share/events/detail/526

※臨時休館や展覧会会期の変更、また入場制限などが行われる場合があります。事前にお確かめください。

問い合わせ先/WATOWA INC.
mail: info@watowa.jp
WEBサイト: http://www.watowa.jp/news/
Instagram: https://www.instagram.com/watowagallery/

協力会社:
JAMSTEC (海洋研究開発機構 http://www.jamstec.go.jp/j/ )
ANREALAGE (株式会社アンリアレイジ https://www.anrealage.com/ )
REFINVERSE ( リファインバース株式会社 https://www.r-inverse.com/ )
Orchid (株式会社 オーキッド https://www.orchid.factory-shop.info/ )
JINS (株式会社ジンズ https://www.jins.com/jp/ )