《利休の登場で、茶の湯はどう変わったのか?「茶聖」の光と影を徹底解明》
黒の美を表現した「黒樂茶碗」、二畳の空間に無限大を込めた茶室「待庵」、誰より早く注目したミニマル・デザイン、そして空前絶後の一大イベント……日本初のクリエイティブ・ディレクターが生んだ、比類なきデザイン性のすべてがここに!―茶聖70年の生涯を追体験できるスゴロク付き!
「茶の湯」を完成させた男として、いまもなお伝説的な存在である、千利休。プロダクトから空間、さらにはグラフィックやイベント・プロデュースにいたるまで、あらゆる分野に才能を発揮し、すぐれた「デザイン」をもたらした。絢爛豪華で激動の安土桃山時代に生きたトレンドセッターは、茶人という枠に収まりきらない、日本初の「クリエイティブ・ディレクター」なのだ。70年の生涯のなかで、決して歩みを止めることなく、常に自らの美意識を研ぎ澄まし、伝統や歴史にとらわれずに、まったく新しい価値観で確固たる「個」を打ち立てた。そんな千利休の比類なきデザイン性、そして、その光と影、功と罪を徹底的に解明する。
目次
千利休の功罪を、いま改めて問い直す。
利休デザイン徹底解剖。
茶室
二畳敷きの極小空間に込められた、深遠な思想。
床の間
その場限りの美しさこそが、本来の侘びである。
樂茶碗
空間や世界観を変えてしまう、唯一無二の存在。
茶碗
樂茶碗誕生につながった、さまざまなルーツ
利休形
まさに茶の湯のユニバーサル・デザイン
見立て
目利きゆえの「見立て」は、エポックメイキング
花入
素朴であれ豪華であれ、どちらにも本質がある。
グラフィック
ミニマル・デザインのよさに、誰よりも早く注目。
料理
身近で「旬」な食材で作る、心尽くしの茶懐石。
菓子
懐石を締めくくる、デザートとしての菓子。
茶会
プロデューサーとして、空前のイベントを実施。
利休自作、3つの茶杓のエピソード〔1〕
利休をめぐる人々の興亡。
信長が考案した、世の中を支配するメカニズム―織田信長・豊臣秀吉・千利休
茶の湯の三巨人は、こんなにも違う。―千利休・古田織部・小堀遠州
もっとも愛した絵師、長谷川等伯とは?
モチーフを繰り返し描いた、琳派の美意識。
利休自作、3つの茶杓のエピソード〔2〕
現代における利休とは。
クリエイターが語る、それぞれの利休像。
千 宗守
茶の湯の世界を、真空状態に押し上げた存在。
樂 吉左衞門
利休と長次郎の、美をも削ぎ落とす凄まじさ。
赤瀬川原平
憧れて近づいたら危ない、無口な芸術家。
原研哉
無駄を削ぎ落とし、互いの美意識を共有する。
黒鉄ヒロシ
「安土桃山人」を代表する、ひとりの殉教者。
さまざまに描かれた、キャラクター「利休」。
利休自作、3つの茶杓のエピソード〔3〕
[対談]花人 川瀬敏郎 × 茶人 木村宗慎
利休の登場で、一体何が変わったのか?