これまでになかった技と取り組みで、天ぷらを完成された料理へと昇華させた職人、近藤文夫さん。いまや世界中からそのおいしさを求めて、多くの食通が集まる東京・銀座の「てんぷら近藤」へ、その技を目撃すべく、訪ねました。
知られざるマイスターたちを紹介していく動画シリーズ「Portrait of Meister そこに、匠の技がある」。第2回に紹介するのは天ぷらの匠、「てんぷら近藤」の近藤文夫さんです。
過去、天ぷらといえば“江戸前”という概念に囚われていたため、そこに野菜は存在していませんでした。しかし近藤さんは、「世界中のどの料理にも野菜が使われているのに、天ぷらに野菜を使わないのはおかしい」と、野菜の天ぷらを供することを決めます。以来、天ぷらの世界に野菜が加わるようになったのです。
野菜を揚げるときにもっとも注力したのが、素材の持つ香りと色を引き出すことでした。そのために開発された技が、現在氏の天ぷらを語る上で筆頭のキーワードとなる「薄衣」でした。まるで透き通る絹のごとき衣。その先には、芳醇な香りと味わいに包まれた、かつて見たことのない素材本来の姿があります。
前任未踏の表現を、天ぷらという世界で切り拓き続ける近藤さん。今回は、そのなかでも代表作とされる「にんじん」の天ぷらを魅せていただきます。
ここには確かな“匠の技”があります。
てんぷら近藤
中央区銀座 5-5-13 坂口ビル9F
TEL:03-5568-0923
定休日:日曜(月曜が祝日の場合休)