注目のロースター「アマメリア エスプレッソ」のバリスタに聞いた、味覚へのこだわり。

  • 写真:杉田裕一
  • 文:和田達彦
Share:

新しいコーヒーの楽しみ方を提案する「アマメリア エスプレッソ」のオーナーであり、バリスタ兼焙煎士の石井利明さん。石井さんに、コーヒーへのこだわりとバリスタの視点から見た「キリン ホット生茶」の魅力をうかがいました。

「休憩時間など、リラックスしたいときによくお茶を飲みます」と語る石井さん。

武蔵小山にあるカフェ「アマメリア エスプレッソ」の石井利明さん。品質チェックのためにコーヒーを口にする機会ももちろん多いのですが、仕事の合間によく飲んでいるのは、ペットボトルのお茶なのだそう。毎回いろいろなブランドの製品を選んで、違いを考えながら楽しんでいるそうで、カッピング(コーヒーのテイスティング)の講師も務める彼らしい飲み方です。そんな石井さんのカフェにキリンビバレッジ マーケティング部の土橋慧さんが訪れ、石井さんのコーヒーへのこだわりや、よく飲むというホット生茶の印象について聞きました。実はホット生茶とコーヒー、楽しみ方に似ているところがあるとか……。

こだわりから生まれる新しいコーヒーの世界。

キリンで生茶を担当しているマーケティング部の土橋慧さん(右)が、石井さんのコーヒーへのこだわりやホット生茶の感想を尋ねました。

「石井さんがカフェを始めたきっかけは何でしたか?」と尋ねる土橋さん。

「両親がサイフォンでコーヒーを淹れる喫茶店を経営していて、幼いころからコーヒーは身近な飲み物だったんですよ」と石井さんは答えます。

石井さんは2004年から父親が経営するカフェで経験を積み、2008年にはアメリカスペシャルティコーヒー協会が認定するコーヒー鑑定士の資格を取得。そして2010年、東京・武蔵小山に自身の店「アマメリア エスプレッソ」をオープンしました。さらに今年1月には、碑文谷に焙煎所メインの「アマメリア コーヒーロースター」も開いています。

「凝り性なんですよね。最初は、簡単に見えて難しいエスプレッソマシンの奥深さにハマって、それでは飽き足らずに自分で焙煎もやりたくなった。自分の店を持った理由は、お客さんがなにかの“ついで”ではなく、純粋にコーヒーの味を求めて来てくれる環境がほしくなったからですね」

石井さんのカフェでは、厳選された生豆を用いていねいに焙煎、抽出したスペシャルティコーヒーが楽しめる。

コーヒーを提供する上でこだわっている点を土橋さんが尋ねると、石井さんはこう答えます。

「雑味のない、クリーンなコーヒーが理想ですが、そのためには豆選びがすべて。当店では、コーヒーの国際的な品評会である『カップ・オブ・エクセレンス』で84点以上のコーヒー豆を使うなど、コーヒーの品質にとにかくこわだっています」

また、焙煎によってその豆のフレーバーを最大限に引き出しつつ、甘さを出すことを目標にしているそうです。

「でも、90点の豆は、最高のローストをしても90点以上にはなりません。そもそもローストによって豆のよさを100%引き出せること自体、奇跡のようなものなんです」

さらに石井さんは、抽出にも細心の注意を払います。毎日開店前には、豆に合わせて挽き目と粉量を変え、味見して……といった具合に、エスプレッソマシンの立ち上げだけで1時間以上かけて調整しているそうです。

他にない、茶葉本来の味が感じられるところが生茶の魅力。

「ホット生茶は味と香りの余韻を楽しむことができるお茶ですね」と語る石井さん。

味覚にこだわりをもつ石井さんに、土橋さんがホット生茶の味わいを聞いてみると……。

「ホット生茶は、ほかにはない独特のフレーバーがありますね。甘さととろみ、そして茶葉を噛んだ時のような味が感じられます。ホットになったことで、しっかり抽出された感じがして、香りとうまみが強まっていると思います。でもただ濃いわけじゃなくて、口当たりがすっきりしているところが好きですね」と答えてくれました。

土橋さんによると、ホット生茶は抽出したお茶にセラミックボールミルで超微粉砕した茶葉を加えており、その茶葉に『かぶせ茶』を使用しているとのこと。それが深いコクとうまみにつながっているのですね。

リニューアルしたホット生茶は、いままで以上にうまみと香りが感じられるお茶になっています」と語る土橋さん。

お茶は比較的食事と一緒に飲みやすい飲み物ですが、お茶のうまみがしっかり感じられるホット生茶は、これだけでも楽しむことができますね」と語る石井さん。

これに対し土橋さんは、「生茶では、この冬『うまみ飲み』と題して、新しい飲み方を提案しています。生茶を口の中でゆっくりためて、うまみと香りを楽しんでいただけたらと思っているんです」と続けます。

ゴクゴク飲むのではなく、口内のお茶のうまみやコク、香りをじっくりと感じ、飲み込んだ後もその余韻を楽しむ。それがうまみ飲み。ホット生茶は、そうした飲み方をしたくなる味わいの深さをもったお茶です。そしてそれは、新しいコーヒーにも言えることだと石井さんは語ります。

「最近のコーヒーは、フルーツ由来のフレーバーや酸の質を重視するのがトレンドになっています。だから、口に入れてすぐ飲み込んでしまうのはもったいない。口に含んだら、口内の空気を鼻に抜いてみてください。コーヒー豆本来のフレーバーを感じることができますよ」と石井さん。香りや味わいをじっくり楽しんでほしいという思いには、コーヒーもお茶も共通のものがあるようです。

リラックスしたいとき、ホット生茶だけでじっくり楽しみたい。

店には15分ほどかけて自転車で通勤している石井さん。寒い日の出勤時には、温かいホット生茶でひと息。

素材や抽出の仕方が重要なのは、コーヒーもお茶も同じです。石井さんに今後コーヒーの世界をどうしていきたいかを尋ねると……。

「コーヒー豆はフルーツの種ですが、フルーツは人間が大昔から喜んで食べてきた根本的な食べ物。コーヒーは、ローストすることでフルーツのよさを引き出せる飲み物だと思います。でも品質にこだわったスペシャルティコーヒーと呼ばれるものが登場してまだ20年。精製方法などもまだ進化していますし、もっとよいコーヒー豆が出てくるはずです。それによって既成のイメージにとらわれない、いままでと違うコーヒーが広がっていってほしいなと思っています」

ホット専用につくられた、キリン ホット生茶。

“日本のお茶を変えたい”という志でつくられているホット生茶。そんなホット生茶を飲みたいシーンについては……。

「仕事の休憩時などにリラックスして飲むのもお薦めですね」と石井さん。

ホットならではの香りの広がり、そして生茶ならではのコクと余韻がよりしっかりと感じられる冬向けの生茶は、気分を落ち着かせたい時、くつろぎたい時などに、その時間をより優雅に過ごさせてくれることでしょう。

詳しくはこちら NAMACHA.jp
キリン ホット生茶 345ml ¥130(税別)
まる搾り生茶葉抽出物 加熱処理

●問い合わせ先/キリンビバレッジ お客様相談室 
TEL:0120-59595