Maison Margiela / メゾン マルジェラ
2020年 春夏 メンズ・コレクション
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デジタルカッティングで
ホールが施されたロングコート -
白い「ハックプリント」で
明らかになるヘリボーンのウェア -
透明生地へのプリントに、
投影されたイメージが重なる。
プレタポルテに相当する、男女共通のデフィレ「Co-ed」コレクションとして発表されたメゾン マルジェラ。デジタル機器に囲まれた現代、私たちの日常では様々なハプニングが起きている。例えばソフトウエアのバグで操作できなくなったり、PCがハッキングされてモニタが歪んだり。映像の進化で、現実とヴァーチャルの区別がつかなくなることもある。メゾン マルジェラは今季、このような違和感のある感覚をアート作品のように表現した。クラシカルなヘリンボーンツイードのコートは、生地が部分的に真っ白になっている。実はこの生地は織りではなく、白生地の上に柄をプリントしたもの。あたかもモニタ画面で見た服の色や柄が抜け落ちてしまったかのようだ。モチーフがプリントされた半透明のコートは、中に着た服が透けてみえ、プロジェクションマッピングのような様相を見せる。前シーズンの19-20年秋冬でも見せたデジタルへのアプローチを発展させたコレクションだ。