LANVIN / ランバン
2020-21年 秋冬 メンズ・コレクション
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パンツの裾とシューズで、
色を揃える巧みな工夫。 -
シャツに描かれたのは、
冒険コミックの主人公。 -
ロング&リーンの
新しいマリンスタイル
少年のように無邪気な心をもち、知的な大人のバランス感覚で整えられたアイテムの数々。爽やかな印象の奥底からは、新しいファッションワールドが浮かび上がる。現ランバンを率いるブルーノ・シアレッリは、メンズスタイルに新風を吹き込む注目のデザイナーだ。今秋冬も春夏に続きマリンテイストが継続され、どこか可愛らしく、しかし確実に男性的なルックをショーに登場させた。シルエットはルーズとスリムとを行き来する自由なもの。コーディネートを計算したデザインにも優れ、例えばパンツの裾にだけ色を染色し、同色のシューズと組ませて一体化させる発想がその独自性の代表だ。ただしどのアイテムも単品で見るとトラッドな服にも合わせやすいことに気づく。一般男性の生活実感にもしっかりと寄り添うデザインなのだ。今季コレクションのイメージの元になったのは、1970年代のイタリアの海洋冒険コミック『コルト・マルテーゼ』の主人公。海軍コートを着た着こなしと、同じ70年代のLAスケートカルチャーの写真とがミックスされてコレクションが完成した。