DIOR / ディオール

2019年 春夏 メンズ・コレクション

若くなりすぎたハイモードの世界が、大人の手に戻るターニングポイントになるかもしれない、記念すべきコレクションです。今回からメンズ アーティスティック ディレクターが、キム・ジョーンズに代わりました。ブランド名も「オム」が外れた「ディオール」のみになり、ウィメンズと共通の名称に。このメンズは、流行中のストリートやジェンダーレスを通過した先に生まれた、まったく新しいエレガンスです。透ける素材を重ねたり、白やパステルの淡い色が多用されました。そんなフェミニンさを漂わせながらも、アイテムの一点一点は男性的な仕上がり。多く登場している花のモチーフも、決して甘くなく、毒々しくもなく。アクセサリー類の充実も見逃せません。ウィメンズとして発表されたサドル型バッグには、アウトドア系のメタルバックル（コブラバックル）がつき、男っぽいイメージに。シューズはダッドスニーカーで、ジュエリーはヒップホップ感覚。こうした旬のストリートの要素を注入しつつ、エレガントな印象にまとめあげた新生ディオールのメンズに、期待が高まります。PHOTO:PATRICE STABLE