ダウンより手軽で便利! アークテリクス社員全員がもつ中綿アウターが使いやすい理由。
毎年、冬になると寒さが厳しくなる前に防寒用のアウターを買い求める。ウールのトラッドなコートなども好きなのだが、最近は体力が落ちたこともあって、軽くて、暖かく、ポケットなどがたくさん付いて、バッグいらずで着られるアウターを求める場合が多い。となると機能的なアウトドアブランドのもので、しかもダウン=羽毛入りのものを買うことが多かったが今年購入したのはカナダのアウトドアブランド、アークテリクスのアウターだ。
中綿に使われているのは、ダウンではなく「コアロフト」と呼ばれる同ブランドが開発した高機能のポリエステル化繊。ダウンと同じくらい保温性(断熱性)があり、しかも湿気に弱いダウンに比べて速乾性が高いという素材。ケアも簡単でなんとアウターごと洗濯機で洗えるということで、これならば汚れても安心と購入したが、その中綿アウターがこの冬、コロナ禍の中、大活躍してくれた。
いままでこの手のアウターはほとんど中綿にダウンを使ったものを購入してきた。なんとなくダウン=天然素材で高性能というアタマがあったからだ。
しかし、一昨年、購入した軍もののアウターがあまりに暖かく、その概念は完全に覆った。アウターに使われているのは、「プリマロフト」と呼ばれる80年代に軍の要請で開発されたマイクロファイバー素材で、しかもアウター自体が「EXTREME COLD WEATHER」用につくられたものだったので、本当に暖かい。冬のロケでもへっちゃら、電車の中では、前のファスナーを開けていないと暑過ぎるくらい。20年くらい前に購入したイタリアの有名ダウンブランドのダウンコートもものすごい暖かさだったが、それを凌ぐような防寒力をもったアウターだった。
思えば私がアウトドアウエアに興味をもった70年代からすでに「シンサレート」などの化学繊維を使った防寒ウエアがつくられていたが、さすがに50年も経つと、ダウンに代わるものとして開発された中綿素材も進化を遂げているのだろう。「プリマロフト」にしてこの防寒性をもっているのだろうから、次はなにか新しい中綿素材を試したいと思っていたところに、アークテリクスの中綿アウターに出合ったのだ。
アークテリクスのアウターの記事を発見したのはスマフォに配信されるウェブニュースでのこと。
「アークテリクス社員がみんなもっているジャケット」として今回購入した「Atom LT」ジャケットを薦めていたのだ。男性スタッフは必ず1着以上、女性スタッフは2着はもっていると書いてあったのを記憶している。
アークテリクスはこれまでバッグ類は購入したことがあるが、ウエアは一度も着たことも、買ったこともなかった。だからこそ興味をもった。社員全員が気にいるだけの機能性と魅力をもった製品だから、そこにはなにか理由があるに違いない。これは一度試してみなくてはと、記事を読んだ翌日、さっそく原宿のショップに向かった。
ショップ2階で紹介されたアウターを発見し、サイズを選んで試着させてもらったが、すぐに”使えそう”な予感が。
聞けば、この「Atom LT」は、本来は寒冷地のミッドレイヤーと設計されたもので、「Atom」シリーズのアウターの中でもLight(軽量)なモデル。さらに高いパフォーマンスをもった「AR(オールランド)」というモデルもあったが、普段街用に着用するならば、「LT」で十分ではとスタッフの方がていねいに説明してくれた。
表地のシェル素材は耐水性と透質性に加え、防風機能をもっている。身頃から袖、フードまで「コアロフト」が入っているが、薄手なのでまったくストレスを感じない。フリースを着ているような感覚だ。身頃のサイドパネルにはストレッチ素材が使われており、動きやすく、フィット性もある。一昨年、ストレッチ素材をシェルに使ったダウンジャケットを購入したが、それよりもずっと着心地は快適だ。
両脇にファスナー付きのポケット、左胸の内側にファスナーポケットがあり、左胸のポケットに使っているスマフォ入れを入れてみたが、深さも十分にある。昨年の中綿を使った軍用アウターに続いて、最新の中綿アウターを試すならば、これがいいだろうと購入を決断した。それが昨年の秋口のことだった。
しかし昨年から今年にかけての冬は、例のウイルスで、旅行どころか、外に出掛けるケースもめっきり減ってしまった。日々の生活では、ほとんどクルマで移動していたが、その移動でこのアークテリクスの中綿アウターが本当に活躍してくれた。
Tシャツやシャツの上からさっと羽織って冷えたクルマに乗れるし、ポケットすべてにファスナーが付いているから、財布やスマフォ、鍵などの収納に困ることはない。中綿が薄く、着ぶくれになることもないので、運転はしやすく、暖かさもちょうどいい。
後は中綿アウターの肝心な部分、防寒の具合だが、これは外になかなか出ないので、まだ十分試せていない。そろそろ春めいてきてしまったので、それは今年の冬まで持ち越しになりそうだ。