豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

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モデル名は「ハリケーン・ジャケット」。デザインもアウトドアテイストを取り入れて洒落ている。色はこのブラック以外にも、クールコバルト(青)とグローバルグリーン(緑)がある。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

裏面の縫い目にはすべてシール加工が施されているので、雨水が侵入することはない。後ほど解説するが、欧文のブランド名に注目を。

最近、Pen Onlineのポッドキャストがスタートして、そこで「買ってよかった大人の名品2020」というタイトルで私も昨年購入したアイテムについて、拙い話をさせてもらった。

一昨年に続きご一緒させていただいたスタイリスト井藤成一さんが推薦したアイテムのひとつが、アメリカのランズエンドの「インターロック タートルネック」。実は私も昔から愛用する長袖のタートルネックシャツだったので、推薦した井藤さんをさしおいて、いろいろと話してしまった。ちょっと反省している(笑)。

そんなランズエンドからこの春、新しいアイテムを紹介する便りが届いた。

天気予報の専門番組としてアメリカで信頼を得ている『ウェザーチャンネル』と一緒に開発されたアウター=レインウエアで、オフィシャルウエアとして実際にスタッフが使用するために、何度も試作を重ねて製作されたものだという。とても興味を覚えたので、すぐに連絡を取り、実際の商品を見せてもらった。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

水に濡れてもすぐに塊になって表面を滑り落ちてくれる。しかも素材に伸縮性があるので、着ていても快適だ。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

フロントのジッパーはダブルジッパーになっている。下からも開けることができるので、温度調節は容易だ。

実は1980年代の末から90年代の中頃まで、毎年、1月の半分くらいはアメリカのロサンゼルスで撮影や取材の日々を過ごしていた。ロサンゼルスというと、“カリフォルニアの青い空”というイメージがあるだろうが、実は1月は雨季にあたる。93年だと記憶している。春夏の洋服を使っての撮影だというのに、ロサンゼルスは雨が続いた。毎日のように沿岸で台風が発生し、陸地に襲ってくるのだ。それでも仕事はこなさなければならない。『ウェザーチャンネル』だったかどうかは定かではないが、モーテルでテレビの天気予報の番組を早朝から見て、撮影に備えたことをいまもよく覚えている。

さっそく入手したランズエンドの新作アウターのモデル名は「ハリケーン・ジャケット」。93年にロサンゼルスで出遭った台風=熱帯低気圧を連想させるではないか(笑)。

素材はナイロン78%×ポリウレタン22%。激しい雨から身体を守ってくれる耐久性と、内部の不快な湿気を発散する透湿性が両立した高機能なマテリアルが使われている。これならばアメリカだけでなく、湿気の多い日本での着用にもマッチするだろう。しかもこの素材、防水で湿気を通すだけでなく、タテヨコ両方にストレッチする。これは動きやすい。最近の素材の進化は目を見張るものがあるが、この素材はその最たるものだろう。もちろん縫い目はすべて裏面からシール加工が施されているので、水が染み込むことがない。

フード部分もかぶりの深さ、開口部など、3方向から調節ができるし、フードそのものが立体的にデザインされている。袖の内側にストームカフが付けられているので腕を上げても雨が入り込むことがない。

裾にもめくれないようにドローコードが付いているが、危険なひっかけを防ぐように、ループのない仕様にしている。

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立体的なつくりのフード部分。ひさしの部分のかなりしっかりしたつくり。これなら雨を避けることもできるだろう。開口部もスピンドルで調節ができるし、後ろからかぶりの深さも調節できる。素晴らしいデザイン。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

表側に4つ、内側にも4つのポケットが装備されている。表側のポケットには止水ジッパーの仕様。内側のポケットにスマフォを入れてみた。ジャストなサイズと深さ。

さらに素晴らしいのがポケットだ。外側に4つのポケットが付いているが、どれも止水タイプで、水の侵入を防いでくれる。さらに内側には4つもポケットがあり、これならばスマートフォンや鍵、財布などをポケットに収納し、“手ぶら”で外出ができる。台風などの豪雨では風が吹き、傘がさせないことも多い。バッグを持っていても雨で濡れてしまうこともある。そうした事態になってもこれ一枚あれば、安心して歩くことができるし、蒸れることがない素材なので快適だ。

さすが『ウェザーチャンネル』と一緒に開発しただけのことはある。彼らは天気が悪い時でも戸外で視聴者に向かって状況を説明するのが仕事だ。カメラマンにいたっては、傘もささずに機材をしっかりと持っていなければならない。このアウターはそうしたプロフェッショナルの要望をかたちにしたもので、まさに痒いところに完全に手が届くデザインというわけだ。

しかもこれだけの機能とディテールを持っているのに¥32,890(税込)とコストパフォーマンスも高い。さすがランズエンドである。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

袖口の内側には「ストームカフ」と名付けられたシャーリングのカフが付いているので、袖を上げても雨が入ってこない。

豪雨などの緊急事態にも安心! 天気のプロが開発に協力したアウターを入手。

裾にも調節用のコードが付いている。しかもコードにループがないので、なにかに引っかかっても、安心。こうした“気配り”が心憎い!

ランズエンドは1963年、アメリカのシカゴで生まれたブランドだ。広告業界のコピーライターで、ヨットマンであったゲリー・コマーが創業したヨット関係のショップがブランドの始まり。そういう意味では今回の「ハリケーン・ジャケット」も、ヨットマンであったゲリーの息吹が感じられるアウターともいえるだろう。そのゲリーが掲げた指針が「品質に力を尽くすこと。お客様を第一に考えること」。この機能と素材、この値段はその現れに違いない。

私がこのブランドを知ったのは80年代のことだ。当時、仲良くしていた日本のニットメーカーがたまたまランズエンドからセーターの製作を依頼され、ブランドの詳細を教えてもらったのだ。日本に上陸してくる前にはアメリカまでメールオーダーで商品を頼んだこともあるし、これはポッドキャストでも喋っているが、アメリカ版の『フォーブス』で働きやすい会社100にも選ばれたウィスコンシンにある本社を取材する機会も得た。以来、このブランドのつくるアイテムには関心をずっともっていたが、今回も本当に素晴らしい商品をつくってくれたと思う。

ちなみにブランド名は、「これから始める航海と冒険を感じさせる言葉として“地の果て”を選んだ」という。英語で「LANDS’ END」と表記するが、アポストロフィの位置が違うのは、創業時のパンフレットのスペルミスが原因で、創業者のゲリー・コマーは「お客様に一度伝えた社名を安易に変えるわけにいかない」とそのままにしたものらしいが、なんとなくそれもランズエンドらしくて、好きな逸話だ。

イギリスのグレートブリテン島の西端にランズエンドという名前の町がある。数年前に、とあるデザイナーからの推薦で取材に行く話が持ち上がったが、結局、取材場所の許可が得られず、行くことが叶わなかった。好きなブランドと同じ名前だけにランズエンドという町も見てみたかったと思っている。