素足履きのリゾートシューズ、エスパドリーユ。銀座で究極に美しい一足を発見!
エスパドリーユ、皆さん持ってますか !?
夏向けの印象が強く履ける季節が限られますし、華奢でやや女性的でもあるからまだ所有したことのない人は多そう。
ところが高級デザイナーズも取り扱う海外ECサイトなんぞを見てますと、かなりの種類のエスパドリーユが販売されていることに気づきます。
リゾートの風習のあるヨーロッパでは夏に欠かせないシューズなんですね。
暑い夏が何ヶ月も続くほぼ亜熱帯な現代ニッポンで(その代わり冬はすぐ終わる)、
「サンダルもいいけど、大人の素足履きならエスパドリーユが気分だな」
との考えを頭の片隅に置きつつ2020年にオープンしたばかりの「ロロ・ピアーナ 銀座店」のメンズフロアを歩いていたところ……
「なんだこの洗練された佇まいは!」とちょっと感動モノの逸品が目に飛び込んできました。
それが今回紹介する、ロロ・ピアーナのエスパドリーユシリーズ「シーサイド・ウォーク」です。
エスパドリーユと呼ばれるシューズの条件は、ソールが主にジュート(麻)でつくられていること。
撚った糸で編まれた太い紐(縄)を職人が平らな板のうえでぐるぐると渦巻状に巻いていき、それをプレス機械でギュッと小さく固め、ほどけないように糸で縫い合わせたものがソールになります。
靴底はゴムで補強されるため都会でも問題なく歩け、地面が濡れていても問題なし。
もともとはフランスとスペインの間にある地域での農作業用シューズだけに、いまもスペインで素朴なつくりかたが守られてます。
世界中の高級ブランドがエスパドリーユをスペインに発注するのには、“本物” へのリスペクトがあるんです。
ロロ・ピアーナは伝統を踏襲しながら、都会的にアップデート。
アッパーをヴァンプシューズ(ベルトなしローファー)にして形を整え、インテリジェンスをプラス。
湿度が高く足汗が乾かない日本で、革靴を素足履きするとベタつきます。
砂漠地帯で乾燥したロサンゼルスじゃないんだからやめておいたほうがいいのですが、
このエスパドリーユなら素足履きOK。
ジュートは汗をよく吸いますし、構造的に接着剤を使ってませんから通気性もバツグン。
てか、ソックスは似合いにくいんですよね、エスパって。
でもロロ・ピアーナのならソックスも合わせられるかもしれません。
それでは、気になるお値段はいかに。
麻モデルが ¥69,300(税込)、スエードが¥81,400(税込)、ロータス・フラワーは¥111,100(税込)。
相場と比べると驚きの高額品なのですが、やりすぎていないのに新しい、このデザインの妙と素材の風格には抗えない魅力あり。
買えちゃう御仁は購入候補にしていいと思います!
ただ、エスパの欠点も挙げておかないとですね。
・ジュートのソールが型崩れするから水洗いできない。
・素足での皮脂汚れを落とすのが面倒(内部を布拭きする)。
・修理して何年も履くシューズではない。
・アッパーがふにゃふにゃだから(ロロ・ピアーナのは少し違うかも)、足も踵もホールドされないので長時間歩くのに向かない。
・アッパーが横に伸びるため、サイズ選びは足の全長で合わせないとブカブカになる(普段より2サイズ以上落とすケースもあり)。
こんなところでしょうか。
店頭での試し履きが必須です。
ではここで話変わって、下の写真は昨年購入した私のエスパ。
これ、ソールがやや厚底でボリュームがあります。
アウトソールのゴムの色は赤。
実は購入した店は代官山の「プラージュ」。
そう、メンズなしのレディス店です。
一般のメンズ・エスパドリーユはソールが薄く、旬のゆったり服に合わせにくいと思い、厚底でオトコもイケるものを探してました。
私は夏になると服も小物も黒を身に付けなくなるため(気分を軽くしたくて)、黒レザーアッパーには少し悩みましたが、黒×ベージュの配色はトレンドだし昔から好きだしってことで購入を決断。
価格はリーズナブルでした。
今年も履きはじめてますよ、素足に慣らしながら。
『エスパドリーユができるまで | ニッチすぎる 世界のモノ作り (ディスカバリーチャンネル)』より
最後に掲載したのは必見の制作ムービー。
余計なイントロもユーチューバーのおしゃべりも一切なしの、さくっと短く簡潔な素晴らしいドキュメンタリーです!
撮影 © 高橋一史
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