写真と絵画の境界を揺さぶる。現代美術家・宇平剛史の個展『Images as Matter』が開催

  • 文:Pen編集部
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イメージを物質として捉える試みが、静かに進行している。
現代美術家・宇平剛史による個展『Images as Matter』が、東京・恵比寿のsee you galleryにて開催する。

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Goshi Uhira, White Rose (3), oil, inkjet print on archival paper, 2025

宇平は1988年福岡県生まれ。東京都立大学システムデザイン学部インダストリアルアート学科を卒業後、東京を拠点に活動。写真と油彩、印刷と筆致、表層と奥行き──相反する要素を交差させながら、視覚と触覚の境界を探る作品を発表してきた。

本展では、抵抗運動「白薔薇」に着想を得た新作シリーズ『White Rose』が初公開。
写真と油彩が層をなし、白い薔薇のイメージが滲み、剥がれ、揺らぎながら立ち現れる。印画紙に染みるインク、表面を覆う絵具の厚みは、物質の痕跡と時間の堆積を静かに刻印する。

あわせて、継続的に展開されている連作『Skin』も展示。
極限まで引き伸ばされた皮膚のディテールは、写真と身体の関係を根源から問い直す。可視と不可視、触覚と視覚のあわいに、観る者は否応なく引き込まれるだろう。

デジタル時代にあって、あえて素材の重みと表層の脆さに向き合う宇平剛史。
「イメージとはなにか」という根源的な問いを、物質とともに紡ぐ本展にぜひ足を運んでほしい。

宇平剛史 個展『Images as Matter』

開催期間:2025年4月30日(水)〜5月18日(日)
開催場所:see you gallery
     東京都渋谷区広尾1-15-7 2F
開館時間:13時〜20時
https://seeyougallery.com/exhibitions/goshi-uhira-images-as-matter/