1791年に創業したジラール・ペルゴは、日本に初めてスイス製の時計を紹介したと言われている。そんな日本とも縁が深いメゾンが、国内初となるブティックを大阪・心斎橋にオープンした。

スイスの時計ブランドの多くがグループに属するなか、独自のウォッチメイキングを貫く独立系ブランドのひとつがジラール・ペルゴだ。1791年にジャン=フランソワ・ポットがラ・ショー=ド=フォンに創業した時計工房を前身に、1856年に時計師コンスタン・ジラールと妻マリー・ペルゴの名から「ジラール・ペルゴ」の名が付けられた。
すべての製造を自社内で行うマニュファクチュールとして2世紀以上の歴史を誇り、2011〜22年までケリンググループの傘下に入るなど変節はあったものの、独立系ブランドとして美と芸術への情熱を携えてメゾン独自のサヴォアフェールを守り続けてきた。 1884年に登録された「スリー・ゴールドブリッジ」をはじめとするデザインに関する100件以上の特許や、1889年のパリ万国博覧会で授与された金賞など、数多くの誉れ高い実績を積んできた唯一無二のブランドと言える。

日本初となるブティックとしてオープンした「ジラール・ペルゴ ブティック 大阪」は、心斎橋の長堀通に面した路面店だ。店内に足を踏み入れると、ブラック、ゴールド、ウッドというメゾンのデザインコードを基調としたインテリアが広がる。エレガントで高級感を醸しながらも、ジュラ山脈で長年にわたって培ってきた自然への敬意やクラフツマンシップの“ぬくもり”が感じられる、あたたかみのある雰囲気が特徴だ。
店内は2フロアからなり、ウッドベースのカウンターエリアと、ゆっくりとくつろげるソファテーブルを配したスペースを備える。どちらも居心地の良い空間であり、じっくりと思い思いにジラール・ペルゴの世界観に浸ることができる。

また、2階へと昇る階段の壁面には、ジラール・ペルゴと日本の歴史が世界地図で記されており、1860年にスイスから日本へ渡り、日本に初めてスイス製の時計を紹介したフランソワ・ペルゴの軌跡をたどることができる。
創業一族のひとりであるフランソワ・ペルゴは、スイスと日本の外交関係が樹立される以前、時計がまだ一般に普及していなかった幕末の時代に、パイオニア精神でスイス時計の普及に大きな役割を果たした人物だ。時計師として、商人として、横浜の地で西洋式時計の普及に尽力し、1877年に永眠。その魂は横浜外国人墓地に眠る。

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日本初のブティックでは、新作や特別なタイムピースも展示

ジラール・ペルゴの日本初となるブティックでは、多彩なコレクションを取り揃える。なかでも注目を集めるのが、アイコニックなデザインの「ブリッジ」コレクションだ。当時当たり前とされていたブリッジを隠す設計を覆し、あえてその構造美を見せるという革新的なアプローチによって、時計製造の常識に変革をもたらした。1889年、パリ万国博覧会で金賞に輝いたこのアイコンは、時代とともに進化を遂げてきたジラール・ペルゴを象徴するモデルと言えるだろう。
「ブリッジ」コレクションの最新モデルである2024年発表の「スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン」など、最先端の技術と建築的な美しさを融合させた、マニュファクチュールならではのタイムピースも取り揃えるほか、 38㎜ケースにダイヤモンドをあしらった「ロレアート」の最新モデルも見ることができる。

さらには、今回のオープンを記念し、ジラール・ペルゴが誇るオートオルロジュリーの傑作「ラ・エスメラルダ トゥールビヨン『シークレット』エタニティ エディション」がスイス本社より特別に取り寄せられ、店頭に飾られている。世界限定18本という希少性もさることながら、230年以上の歴史を誇るマニュファクチュールが培ってきた技術と、細部に宿る芸術的な美の結晶を、ぜひ間近で体感してほしい。



ジラール・ペルゴ ブティック 大阪
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋1-13-6
TEL:06-6281-1791
営業時間:11時〜19時
定休日:水曜
www.girard-perregaux.com