柴田文江デザインのランドセルから、「タクタイル マテリアル」設立まで【Penが選んだ今月のデザイン】

  • 文:猪飼尚司(デザインジャーナリスト)
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1.柴田文江が考えた、新しいランドセルのかたち

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左から、「ノーブル」(グリーン、レッド)、「アルチザン」(キャメル)各¥88,000

プロダクトデザイナーの柴田文江が、ランドセルのデザインに挑戦。「ノーブル」では、ランドセルの構造を“カバン”として捉え直し、美しく、子どもにとって使い勝手のよいプロダクトへと進化させた。かぶせの蓋をなくし、上部に開閉口を採用することで荷物の取り出しが簡便になった。一方「アルチザン」は、生地端部にコバ処理を施し、ポケットのマチやステッチのデザインにもこだわるなど、上質なレザーバッグのような佇まいに仕上げている。

「ノーブル「」アルチザン」

+CEL
www.cel.family

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.一棟貸しの宿で、工芸の魅力を全身で感じる

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建築設計は工藤桃子率いるMMA Inc.が担当。延床面積59坪で、1階はショールーム、2階は宿泊スペースで構成され、随所に工芸建材が施されている。

中川政七商店と堀田カーペットが合同で、日本の歴史と伝統が培う高度な工芸の技を現代の建築建材として活用する新たな会社、「タクタイル マテリアル」を設立。事業スタートの一歩目として、工芸的な手法でつくられた建材「工芸建材」の魅力を体感できる宿泊スペース「タクタイル ハウス オオサカ」をオープンした。越前塗の家具、越前和紙の建具、伊達冠石の洗面台など、工芸の奥行き、ていねいな仕上がりを空間全体で表現している。

「タクタイル ハウス オオサカ」

住所:大阪府和泉市阪本町162番地
料金:1棟貸し¥72,600~
www.tactile.jp

※この記事はPen 2025年5月号より再編集した記事です。