“支える”という問いをかたちに。山田康平がエンダースキーマのギャラリー「隙間」で新作個展を開催

  • 文:Pen編集部
Share:

『Pen』2025年3月号の表紙作品も手掛けたアーティスト・山田康平が、東京・蔵前にあるギャラリー「隙間」にて個展『支える軽さ』を開催する。テーマは“支えること”。紙やパネルの物理的構造、そして「フレームとはなにか」という根源的な問いを、絵画作品として立ち上げる試みだ。

6CC9309E-7376-4FE4-882E-A1B11A38353A_1_201_a.jpeg

Kohei Yamada “Untitled”, 2025、Oil on paper、50 x 49.9 x 8 cm
©Kohei Yamada. Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo: Kenji Takahashi

山田の作品には明確なモチーフがない。だが、画面左上の黄色から始まる構図、折り重なるレイヤー、色彩と面の配置によって、独自の“空間”が立ち上がる。絵画であると同時に、建築的な重力を感じさせるその存在は、鑑賞者に「絵をどう支えるか」という構造そのものを意識させる。

今回の展示では、紙の厚みや軽さ、接合の仕方までを計算したうえで、フレームが額装の役割を超え、作品の一部として機能する。山田はこの状態を「支えが支えでなくなる瞬間」と呼ぶ。キャンバスや額縁といった“前提”を疑う姿勢は、素材と空間、そして観る行為にまで繊細に揺さぶりをかけてくる。

絵画の原点にある「支える」という行為を、かたちとして捉え直す本展。素材と構造の関係性を透かして見せる山田の新作群は、美術における“見る”という行為を静かに更新していくはずだ。

隙間 15.0|山田 康平「支える軽さ」

開催期間:2025年4月19日(土)〜4月27日(日)
開催場所:隙間
     東京都台東区蔵前3-11-2 1F
開館時間:12時〜19時
https://sukima.henderscheme.com