
プラダ 青山店の5階で、デンマークの映画監督ニコラス・ウィンディング・レフンと、日本が誇るゲームクリエイター小島秀夫による共同プロジェクト『Satellites』が開催中だ。映画とゲーム、アナログとデジタル、そして現実と空想が交錯する新たな宇宙のような展示の魅力とは。
本展は、異なるフィールドを歩んできた二人の巨匠が、10年以上にもわたり培ってきた思考プロセスによって生み出された。ミッドセンチュリー風のワンベッドルームアパートメントをイメージした第1部の会場では、ソファや電話、ベッドといった日用品が配置され、ノスタルジックでありながら非現実的な世界へと来場者を誘う。特に注目したいのが、レトロフューチャーな宇宙船を模した6台のテレビだ。映像として浮かび上がったニコラスと小島が登場し、人間のつながりという普遍的な概念を探求しながら、思索的な対話を繰り広げる。英語と日本語という異なる言語を行き交うその対話は、友情、創造、テクノロジー、そして死といったテーマを軸に語りかけてくる。
会場近くの更衣室で展開される第2部では、カセットプレーヤーと山積みのテープが待ち受ける。AIによって多言語に翻訳された対話の断片を再生しながら、自らの解釈で物語を紡いでいく試みが面白い。異なる言語やメディア、文化を超えて結ばれる未来の共通領域を示唆する同展に、足を踏み入れてみてはいかがだろうか。




『SATELLITES: NICOLAS WINDING REFN WITH HIDEO KOJIMA』
開催日時:開催中~8月25日(月)
開催場所:プラダ 青山店 5F
東京都港区南青山 5-2-6
入場料:無料