都会派ミニマルウエアを手掛けるヴェイランス。その裏にある、圧巻の職人技とは

  • 写真:Ian Lanterman
  • スタイリング:飯垣祥大
  • hair by Masashi Konno(太田事務所)
  • 文:佐野慎悟
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ふっくらとしたダイヤモンド型の中空糸を使用し、通気性と伸縮性に優れたソフトシェルオーバーシャツは、ナイロン素材ながら、コットンのようなマットでナチュラルな質感が魅力。快適で動きやすく、重ね着をしてもかさばらないすっきりとしたシルエットは、緻密に計算された立体裁断の賜物だ。ジャケット¥110,000、ポロシャツ¥34,100/ともにヴェイランス(アークテリクス カスタマーサポートセンター)

アークテリクスで培った技術を継承し、機能性とデザインを両立させるヴェイランス。革新的なプロダクトが生まれる、ものづくりの背景に迫る。

革新的なウエアを生み出す、知られざるものづくりの裏側

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専門的な知識と経験を有する職人たちによる、革新的なものづくりを行うアークワンの生産ライン。圧着技術、シームテープ、縫製、素材と、細分化された分野にそれぞれのスペシャリストが配置されている。

カナダ・バンクーバーのアークテリクス本社から、クルマで30分ほど離れた工業団地の一角に、アークテリクスおよびヴェイランスの生産拠点となる本社工場「ARC'One(アークワン)」がある。ここでは職人やエンジニアをはじめ、本社のデザインセンターから訪れたデザイナーたちが、先進的なマテリアルや各パーツのスペシャリストたちとともに、製品開発のための議論を重ねる姿が頻繁に見られる。これは、ブランドの創業時から続く、ものづくりのフィロソフィーを象徴する光景のひとつだ。アークテリクスのプロダクトが生まれるプロセスの原初には、まずアスリートたちが直面している問題があり、それを解決するための最善策をかたちにする中で、プロダクトとしてのあるべき姿が具現化されていく。

現在、アークテリクスの製品は、中国やベトナムといったアジア諸国の提携工場でも生産されているが、どの工場でも、アークワンで設計された生産ラインがそのまま導入されており、最先端のテクノロジーを駆使した製造工程とはいえ、その大半は職人の手仕事に頼る部分が大きい。

アークテリクスのプロダクトの背景には、最高のパフォーマンスを引き出すためのソリューションとしてデザインされた、前衛的なプロダクトをかたちにするクラフツマンシップがある。

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ヴェイランスの名作「モニターコート」の内側に圧着で取り付けられるポケット。軽量化に重きを置くアークテリクスでは、糸の重さを省くために先進的な圧着技術が多用される。
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モニターコートを裏返すと、各パーツにはアウトドアアイテムと同様、水を防ぐためのシームテープが美しく施されている。
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アークテリクスの先進的な機能性を引き継ぎながら、タウンユースに適したデザインへとチューニングされたヴェイランスのモニターコートは、ゆったりとした重ね着のしやすいシルエットを採用。

 

ヴェイランスの公式サイトはこちら

 

アークテリクス カスタマーサポートセンター

https://arcteryx.jp