アーティスト・井田幸昌が描くディズニーキャラクターの作品を展示したポップアップショップが代官山で開催

  • 写真・文:石川博也
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井田幸昌●画家・現代美術家。1990年、鳥取県生まれ。2019年東京藝術大学大学院油画修了。在学中より活動を開始。2022年には鳥取県文化奨励賞を受賞。絵画を始め、彫刻、版画にも取り組み、国内外で作品を発表している。©Disney

ウォルト・ディズニー・カンパニーが誕生しておよそ100年。ディズニーが生み出したキャラクターや物語は、国や地域・世代を超えて人々に受け継がれ、愛されてきた。

そんなキャラクターをモチーフにした作品の制作に今回挑んだのが、現代美術家の井田幸昌だ。2021年に実業家の前澤友作が日本の民間人として初めてISSに滞在した際に、井田の作品『画家のアトリエ』をISS内に設置したことでも話題となった、世界的に注目を集める日本人アーティストだ。

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会場には30点近い平面作品、立体作品が飾られている。©Disney

 “描く”ということは、モチーフとなるキャラクターを十分に解釈し、自身の身体を通して表現することだと話す井田。ディズニーキャラクターについては、どんな特徴や魅力を感じたのだろうか?

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お茶目な表情を浮かべる木彫刻のミッキーマウス。©Disney

まずはキャラクター全体について。

「直線がほとんどなく、だからこそあの滑らかなイキイキとした動きが生まれてくるのだなと思いました。 ボリュームの捉え方も線画の極地だと感じましたね。 印象的な配色によって各キャラクターの性格をわかりやすく伝えるようにしていますし、幼い子どもたちでも認識できるようなシンプルさがあります」

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ミッキーマウスとミニーマウスの愛らしい姿が印象的なブロンズ作品。©Disney

各々のキャラクターについてはどうだろうか?

「ミッキーマウスは極限までイメージが磨かれたキャラクターだと思いました。とてもミニマルだなと。そして、造形としてとてつもない強度を持っています。 どれだけそのイメージから離れようとしても、素体が表出してくるのです。これには本当に驚きました」

構造としてはミッキーマウスと共通すると話すミニーマウスについては「女性の象徴としてのリボンや長いまつ毛のデザインは秀逸だなと思いました」と井田は語る。

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感情豊かに描かれたドナルドダック。©Disney

「グーフィーは犬がモチーフとなっていることもあってか、手足や耳など体の末端へと続く動きが大きくて、個人的には一番描きやすかったキャラクターでした」

そして、井田が一番好きなキャラクターだと話すドナルドダックについて。「最も喜怒哀楽が激しく、ある意味人間的ですよね。特に動画でのふるまいは、なんだか自分の日常を見ているようで親近感を感じます」

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ポップアップショップでは抽選販売となる「EDITION100 VCD MICKEY MOUSE Only Time Will Tell DESIGNED BY YUKIMASA IDA」やシルクスクリーンをはじめ、Tシャツやノート、マグカップなどが揃う。©Disney

井田によって制作された作品は、2025年4月3日からスタートした『DISNEY|YUKIMASA IDA “ONLY TIME WILL TELL”POP UP SHOP POWERED BY ZOZOVILLA』の会場内に展示され、さらに限定オリジナルグッズが同会場内とZOZOVILLAにて限定販売されている。

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カラフルな窓がファンタジックなポップアップショップ。©Disney

「私は普段、人物や風景などを油絵具で描いています。いわゆる油絵画家であり、キャラクターなどポップなイメージを扱うことはありません。 そのため、今回の企画は私にとっても大きな試みとなりました。ポップアーティストではない私のような作家がディズニーと仕事をしたことで、私とディズニーのキャラクターとの間でどのような化学反応が巻き起こっているか、そこを楽しんで見ていただきたいです」

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人間味にあふれたグーフィー。©Disney

 会場には、人間味や自分自身を重ねるような気持ちで描いた作品もあり、ポートレート絵画としてのキャラクターのような見方で鑑賞してもらうのも面白いのではないかと井田は話す。

「文化の融合や更新。それはとても難しいことですが、ウォルト・ディズニーが言っているように、私、井田幸昌にとっても、“夢を描けたら、それは叶う” その一歩目となるプロジェクトであり、作品たちだと思って見ていただけたら幸いです」

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ゴールドに輝くミッキーマウス。©Disney

ちなみに企画タイトルである“Only Time Will Tell”には、“時間だけが全て知っている、教えてくれる”という思いとともに、時を経て、ディズニーが教えてくれた表現者としての情熱と、その歴史への敬意が込められている。

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レセプションパーティでは井田が自ら乾杯の音頭をとった。©Disney

ウォルト・ディズニーが残した言葉の中で、特に井田にとって印象に残っている言葉がある。それは「ディズニーランドは永遠に完成しない。この世界に想像力が残っている限り、成長し続ける」というもの。

「彼はディズニーという世界の始まりを想像しましたし、今もなお新しいものを想像し続けるディズニー社そのものを体現するような言葉だなと思います。そして、いつか私自身もそのような世界をつくってみたくなる。そんな気持ちにさせられますし、実際に考えています」

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ディズニーの最初の記憶は3歳か4歳の時。「母が『ファンタジア』や『ダンボ』、『シンデレラ』の絵本を夜寝る前に読み聞かせてくれたことです。絵や物語にワクワクしていました。幸せな時間だったなと思います」(井田)。©Disney

「100年後、私はこの世界にいません。しかし作品は、私よりずっと先まで生きて、多くの人に出会い、心動かす存在であってほしい」

そう話す井田が理想とする“時を超えて受け継がれていく表現”を、ディズニーキャラクターを通して行うとどのようになるのだろうか? 

『DISNEY|YUKIMASA IDA “ONLY TIME WILL TELL”POP UP SHOP POWERED BY ZOZOVILLA』の会場でぜひ確かめてみたい。

『DISNEY|YUKIMASA IDA ''ONLY TIME WILL TELL‘’ POP UP SHOP POWERED BY ZOZOVILLA』

開催期間:2025 年 4⽉3⽇(木)〜2025年4月20⽇(⽇)
開催場所:代官山ヒルサイドテラス / ヒルサイドフォーラム
東京都渋谷区猿楽町18-8
開場時間:11時〜19時(最終日のみ〜17時)
会期中無休
https://hillsideterrace.com/events/15463/

ポップアップ会場内ならびにZOZOVILLAにて、シルクスクリーン作品やTシャツなどのオリジナルグッズを販売中。
ZOZOVILLA
https://zozo.jp/event/disney-yukimasaida/