京都・祇園の隠れ家的なホテルダイニング「Jean-Georges at The Shinmonzen」が、ミシュランの星を獲得

  • 文:Pen編集部
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古都の美しい風情が残る、京都祇園の白川沿いにひっそりと佇む「The Shinmonzen(ザ・シンモンゼン)」。建築家・安藤忠雄が手掛けたことでも知られるラグジュアリーブティックホテルだが、そのダイニング「Jean-Georges at The Shinmonzen」がオープンからわずか2年で『ミシュランガイド京都・大阪2025』で一つ星を獲得した。

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レストラン「Jean-Georges at The Shinmonzen」の入り口。周囲の町屋に溶け込む、静謐な雰囲気を漂わせながらも、一歩中に足を踏み入れると、ホスピタリティあふれる穏やかな時間を約束してくれる。レストランの隣には、シンプリシティの緒方慎一郎とコラボレーションした、日本茶、菓子、器、香りを販売するブティック「OGATA at The Shinmonzen」を併設。

2021年に京都・祇園にオープンした「The Shinmonzen」は、フランス・プロヴァンスにあるホテル「VILLA LA COSTE(ヴィラ・ラ・コスト)」のオーナーであるパディ・マッキレンがこの地に魅了され、10年以上の歳月を費やして建てたホテルだ。建築は安藤忠雄に依頼し、日本の伝統的な旅館に着想を得たという静謐な佇まいで、全9室からなる客室はすべてスイート。いずれも白川に面しており、夏になればテラスからホタルも見えるという。

ニューヨークを拠点に世界中に支店を構えるモダンフレンチの巨匠ジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリステンの名を冠した「Jean-Georges at The Shinmonzen」が誕生したのは2023年3月。東京・六本木の「Jean-Georges Tokyo」に続き、日本では2店舗目の出店であった。

館内を彩る美術館級のアート作品に負けず劣らず、ゲストの心を掴んできたのが、若き才能にあふれた女性シェフ、ハナ・ユーンによるアートのような美しい料理だ。アジア各国での多彩な食文化との出会いから、ハーブやスパイスを巧みに取り込んだ唯一無二のフレンチを編み出してきたジャン-ジョルジュ。そのエッセンスを汲んだ、ほのかにスパイスを効かせながらも、地元京都の食材をふんだんに使用したメニューは、「フレンチ、アメリカン、アジアンを融合させた季節ごとに常に変化する、繊細で優美な逸品を提供する」とハナシェフが語るように、ここでしか味わえない一期一会の料理で、それこそが「Jean-Georges at The Shinmonzen」の醍醐味だ。

オーナーのマッキレンはプロヴァンスでワイナリー「シャトー・ラ・コスト」を手掛けており、「Jean-Georges at The Shinmonzen」でも常時3000本以上のワインを取り揃える(ホテル「ヴィラ・ラ・コスト」は「シャトー・ラ・コスト」の敷地内にある)。料理に合わせたペアリングのコースも用意しているので、川のせせらぎを聴きながらミシュランスターが織りなす魅惑の料理にぜひ酔いしれたい。

訪れた一人ひとりに感動の食体験を提供する「Jean-Georges at The Shinmonzen」。これからもさらに磨きをかけたメニューが、多くの人の記憶と胸に宿るに違いない。

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和を基調とた落ち着いた空間ながらも、ライブキッチンの活気も伝わる「Jean-Georges at The Shinmonzen」。カウンター席からシェフの手捌きを見るもよし、テラス席で心地よい風に包まれるもよし、訪れるたびに心地よい発見を与えてくる。

Jean-Georges at The Shinmonzen

住所:京都府京都市東山区新門前通西之町235
TEL:075-600-2055
営業時間:7時〜10時30分、11時30分〜14時、17時30分〜23時
https://theshinmonzen.com