俳優・中島 歩が考える、「シャツと本」の共通点とは?

  • 写真:鈴木 新(go relax E more)
  • スタイリング:池田尚輝
  • ヘア:AMANO
  • 編集 & 文:栁澤 哲
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さまざまな「本」が知的好奇心を満たすように、上質なシャツを纏えば知性が漂い、学びや気づきを得た時のように背筋が伸びる。俳優・中島歩が愛読書と送る、シャツのある日常。

重たいコートを脱ぎ去る季節がやってきた。今特集では、老舗ブランドの新作や最旬シャツカタログに加え、アウターや小物との合わせなど、さまざまな視点からシャツを紐解く。無限の可能性を秘めるシャツの楽しさを、存分にお届けする。

『シャツからはじめる』
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中島 歩(なかじま・あゆむ)●俳優。1988年生まれ、宮城県出身。2013年に舞台『黒蜥蜴』で俳優デビュー。出演するドラマ『ガンニバル』シーズン2がディズニープラス「スター」で配信されたばかり。また映画『ルノワール』が6月20日(金)に公開予定。2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の出演も控えている。

これまで演じてきた役柄の残像か、または『武蔵野』などで知られる明治時代の小説家・国木田独歩の玄孫というノーブルな先入観からか──。中島歩という俳優にはなぜか、「シャツ」というイメージがしっくりくる。

「シャツを着ている人でいたい、という思いはあります。先日お亡くなりになったデヴィッド・リンチは常にシャツでしたよね。第1ボタンまで留めた、あのスタイルが好きでした。あとはジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスもシャツ。彼らの装いや、そこから漂う雰囲気に憧れているところはありますね」

シャツを着ることは、本を読むことに似ている。本にはさまざまな種類があり、それはシャツも然り。好きなものを選び、好きな時間に、好きな場所で読書を楽しむように、シャツの選びやこなしも自分の好みや理想とするスタイルに合わせて、自由に楽しみたい。

「持参した3冊がそうだったように、読書には、自分を成長させてくれるという期待感がある。シャツも同じように、自分を少し大人にしてくれるという期待を込めて着ているのかもしれません」

彼はこれからも変わり続けるために変わることなく、本を読むように、シャツを着る。

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同素材のスカーフカラーが、レザーシャツに華を添える

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しなやかなカーフ素材、ヴォー・ヌバック・プリュムのレザーシャツ。特筆すべきは、取り外して単体でも身につけることができる同素材のスカーフカラー。シャツの襟部分に施されたホールにアシンメトリーに通して結ぶことで、首元に華やかな動きをもたらしてくれる。コットンのワイドパンツにサンダルを合わせて、軽やかな足元を演出したい。シャツ¥1,727,000、タンクトップ¥95,700、パンツ¥191,400、サンダル¥141,900、ブレスレット¥257,400/すべてエルメス(エルメスジャポン TEL:03-3569-3300)

愛読書1『TRIP TRAP』

金原ひとみ 著 KADOKAWA

「ある女性の10代から20代にかけての旅を切り取った短編集ですが、その時々で世界の見え方や感じ方が変化していくのが面白い。金原さんの描く物語は僕にとって前代未聞でいつも驚かされる。現代文学の前衛的で自由な魅力を感じます」

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シワ加工によって引き立つ、レーヨン生地の軽やかさ

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薄く、なめらかなレーヨン生地を用いたオープンカラーのチェックシャツは、クリンクル仕上げによって生じたシワが魅力。ゆとりのあるシルエットとともに、色落ちしたブルージーンズとのシンプルなスタイリングを軽やかに仕上げてくれる。シャツ¥123,200、パンツ¥150,700/ともにロエベ(ロエベ ジャパン クライアントサービス TEL:03-6215-6116) メガネ¥47,300/ジュリアス タート オプティカル(コンティニュエ) ブレスレット¥99,000/バイスミス(ワールドリーワイズ TEL:03-5369-6428)

愛読書2『かもめ・ワーニャ伯父さん』

チェーホフ 著 神西 清 訳 新潮社

「『かもめ』は演技を始めた時から大好きな戯曲です。19世紀のキーウに生きた自意識過剰な若者の苦悩に驚くほど共感できました。その普遍性にこの戯曲が上演され続ける理由があります。いつかやってみたい作品のひとつです」

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クラフツマンシップが伝わる、リネンのセットアップ

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比翼仕立てが洗練された印象を与える、オーバーサイズのリネンシャツ。フェンディのアイコニックなレザーグッズラインである「セレリア」のハンドステッチを模した「FF」ロゴモチーフが全面にあしらわれている。メゾンのクラフツマンシップを感じる一枚を、共地のトラウザーズとのセットアップで。シャツ¥225,500、パンツ¥168,300、シューズ¥154,000/すべてフェンディ(フェンディ ジャパン 0120-001-829) ヴィンテージ時計¥220,000(コンティニュエ エクストラ・スペース TEL:03-3792-8979)

愛読書3『DUB入門 ルーツからニューウェイヴ、テクノ、ベース・ミュージックへ』

河村祐介 監修 Pヴァイン

「ダブとの出合いは僕にとってすごく重要な体験で、以降はどんな音楽も、サウンドの効果を身体で感じるような聴き方になりました。最近では仕事においても正しさを追求せず、なにがより効果的であるかを重視するようになりました」

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エフォートレスかつモダンな、都会の日常着

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バージンウールによるしなやかな生地がゆったりとしたシルエットとあいまって、美しいドレープを描く一枚。リラックスした雰囲気がありつつも、シャープな襟が全体の印象を引き締め、第1ボタンまで留めたこんな装いもサマになる。リネン×ウールの軽やかなパンツを合わせて。シャツ¥173,800、パンツ¥264,000/ともにジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070) メガネ¥47,300/ジュリアス タート オプティカル(コンティニュエ TEL:03-3792-8978) 他は私物

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都会に美しく映える、メゾンこだわりの“赤”

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前身頃の切り替えを活かした胸ポケット、そして袋布がステッチでたたき付けられたデザインが特徴的な開襟シャツ。スパンレーヨン糸を使用したローン生地は、やわらかな風合いと美しいドレープが魅力だ。また、京都の染工場で無地染め加工を施した独自の赤色が春の日差しに映え、やや長めに設定したサイドスリット入りの裾に、ノンシャランとした雰囲気が漂う。シャツ¥63,800、パンツ¥70,400、シューズ¥70,400/すべてワイズフォーメン(ワイズ プレスルーム TEL:03-5463-1540) 他は私物

【スピンオフ動画】俳優・中島歩の仕事術

 

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