酒が主食の民族の暮らしに潜入! 前代未聞の珍道中【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】『酒を主食とする人々 エチオピアの科学的秘境を旅する』

  • 文:印南敦史(作家/書評家)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『酒を主食とする人々 エチオピアの科学的秘境を旅する』

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高野秀行 著 本の雑誌社 ¥1,980

アフリカのエチオピア南部に、酒を主食とする民族が存在するという。しかも成人のみならず、子どもや病人、妊婦までが朝から晩まで酒を飲み、栄養分にしているというのだ。ノンフィクション作家である著者は真実を確認すべく、TBS「クレイジージャーニー」のスタッフとともに現地を訪れる。その道のりは、絵に描いたような苦難の連続。しかも真相を確認することが目的なので、自身も強い酒を大量に飲まされることに。まさしく珍道中だが、虚飾がないからこそ、我々が知ることのない世界の真実を実感できる。

※この記事はPen 2025年4月号より再編集した記事です。