
まるで映画のワンシーンのような光景…。イランのホルムズ島で、海岸線に大雨が降り注ぎ、人気の観光スポット「シルバー&レッド・ビーチ」が真っ赤に染まったのだ。この衝撃的な景色がSNSに投稿され、瞬く間に話題となった。
現地で撮影された動画には、岩肌から赤く染まった洪水が滝のように流れ落ちる様子が映っており、観光客たちはその異様な色に驚きを隠せない様子が映し出されている。動画を投稿し現地のツアーガイドは、「レッドビーチでの今日の大雨」と題してInstagramにシェア。投稿は約100万件の「いいね!」がつき、コメント欄には「なんでこんな赤いの!?血みたい....」 「この瞬間に立ち会いたかった」「これって安全なの...?」などと、驚きの声が多くあがった。
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血のような赤の正体
DailyMail誌によると、この現象は、火山性の土壌に含まれる高濃度の酸化鉄によって引き起こされるもので、一年中見ることができる。このミネラルが海水と混ざり合うことで、海岸が独特の赤みを帯びた輝きを放つのだそう。
しかし今回拡散されたビデオでは、厳しい天候のためにビーチが「赤くなった」や「赤い雨が降った」と誤った情報が拡散されていたそう。しかし、観光客は一年中いつでも、どんな天候でも、この珍しい現象を体験することができるそうだ。
この「ジェラック」と呼ばれる土壌は、染料、化粧品、ガラス、陶磁器などに使われ、工業的な価値がある。地元の観光局によれば、この土は郷土料理にも使われ、ソースやジャムにスパイスとして使われているという。
「歩いたり乗ったりしていると、周りの土の色がどんどん変わっていきます。ホルムズ島では、ユニークな赤い食用土や70種類のカラフルな鉱物を見学することができます」とイラン観光局は主張している。
世界にも存在する「色の奇跡」
実はこうした自然が生む"カラフル現象"は、世界中で目撃されている。
スペインのリゾート地・トレヴィエハには、塩の湖がピンク色に染まる珍しい場所がある。原因は、塩の中で繁殖するハロバクテリアや藻類。特に夏場に色が鮮やかになり、湖に住むフラミンゴの羽にもそのピンクが移るという。
また、昨年5月にはイギリスのケント州・シアーネス・ビーチが、青白く光り輝く幻想的な光景に包まれた。これは生物発光するプランクトンによるもので、海がエレクトリックブルーに光る現象が目撃された。メキシコやモルディブで有名だが、イギリスでも見られる貴重な瞬間だ。
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