香水バイレードの勢いが止まらない!新旗艦店、期間限定イベント、定番アップデートのアートな世界

  • 写真・文:一史
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バイレードの国内初旗艦店「バイレード 東京 表参道」で販売されている新作オード・パルファン、「ブランシュ アブソリュ ドゥ パルファン」。

先端ファッションが好きな人や若い世代からの指示が高い香水ブランド、バイレード。ラグジュアリー&アートな独自路線で、小規模生産のニッチフレグランスの中でも異彩を放つ存在だ。2006年にスウェーデンのストックホルムで誕生し、創設者の名はベン・ゴーラム。ストックホルム美術大学に通った彼は調香師と出会ったことで香水表現の道に進んだ。透明でミニマルな香水ボトルとコントラストをつけるように、バイレードは広告ビジュアルでファッションやアートに踏み込む表現を行ってきた。世界中のクリエイターを巻き込み竜巻を起こすように、ブランドに多様な付加価値を与えてきた。
そんなバイレードがいま、日本でのプレゼンテーションに力を入れている。2025年1月に東京・表参道に初の旗艦店をオープン。3月にブランドを象徴するアイコンの香り「ブランシュ」のアップデート版を販売し、記念の期間限定アートイベントを開催。彼らの新しい試みを体感した様子をここにお届けしよう。

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今年誕生した旗艦店「バイレード 東京 表参道」

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ボディケア用品も取り揃えた店内。香りのストーリーが広がる。アーティストによる天井絵にもご注目を。

今年1月にオープンした日本初の旗艦店 「バイレード 東京 表参道(BYREDO Tokyo Omotesando)」。1階が2部屋、地下が1部屋の3部屋にわかれたファッションのセレクトショップのような空間だ。
クリーンさと重厚さとが交差する内装の店内は、奥に進むたび新たな発見が待っている。

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地下の部屋に行く階段から見上げた店内。石、金属、木材のテクスチャーがミックスされた建築だ。
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リボンもスタイリッシュなギフトボックス。専用部屋にてボックスを選んでセットできる。

フレグランスの購入だけが目的なら、入店してすぐの部屋だけで用事は事足りる。でも奥のリビング部屋と地下のギフトパッケージ部屋も探索してみよう。特注の家具やインテリアとともに、「バイプロダクト」と呼ばれるサングラス、ジュエリー、ブランケット、レザーグッズなどのオリジナル雑貨と、真っ白なギフトボックスに触れられる。メイクアップ用品も奥の部屋で展開中だ。バイレードの世界観に存分に浸ろう。

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オリジナルレザーグッズのフレグランスカバーとカードケース。日本の刺し子ふうのランダムステッチが手に馴染んで温かい。
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通りに面したメインの部屋。床は黒御影石で壁は塗装した木材。

フレグランスを扱う部屋では、石の彫刻がどっしりと鎮座し空間を安定させている。さらに天井にも目を向けてみよう。そこにはスウェーデンのアーティストたちによる手描きの図案が白木に施されている。白木はバイレードがよく用いる店舗素材で、木材インテリアを愛する北欧らしさが感じられる。
キャンペーン写真では世界のセレブ好みと思える派手めなイメージを作り上げるバイレードだが、店舗や香りにはわたしたち日本の国民性に通じる繊細さが息づく。

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「バイレード 東京 表参道」 東京都渋谷区神宮前5-12-1 マハール表参道 営業:11時〜20時 TEL:03-6433-5576

 

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アイコニックな定番のアップデート新作

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香り成分を増やし、成分構成も見直された新作ブランシュ「ブランシュ アブソリュ ドゥ パルファン」。京都の伝統家屋によく見られる黒い壁(焼板)にインスパイアされた黒キャップが、ボトルデザインの大きな特徴。50mL ¥33,440

バイレードを物語るアイコニックな香りの「ブランシュ」。フランス語で白を意味する爽やかなこの香りが好きな人に嬉しいニュースがある。それは今年3月に香りを再構築した新作「ブランシュ アブソリュ ドゥ パルファン(BLANCHE ABSOLU DE PARFUM)」が発売されたこと。既存モデルを濃密な香りにアップデートする「アブソリュ エディション」からの登場だ。

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白木製のボックスエディション。店舗の天井と同じ絵が蓋に描かれている。

コーヒーに対するエスプレッソのごとく、より深い香りになっている。とはいえ最初の香りは、ツンとする刺激が心地いいクリーンなブランシュそのもの。時間が経ち香りが落ち着いてくると甘さや重みが増していく印象だ。価格は50mLで約8,000円のアップ。日常的にシャワーコロン感覚でブランシュを使ってきた人が、フォーマルに装うときに身につける使い分けも愉しめそうだ。

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男性に人気が高いとされるウッディな「モハーヴェ ゴースト」からもアブソリュ エディションが登場。50mL ¥33,440

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4日間の限定イベント「PAGE BLANCHE」 

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プリンターで出力された撮影イベントのサンプル写真。
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バイレードのロゴと共に出力されたポスター大の大判写真。

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上記の写真を撮影した別室のベッド。カメラは天井に設置されている。

ブランシュ アブソリュ ドゥ パルファンの発売を記念して、バイレードは3月23日(日)まで体験型アートイベント「PAGE BLANCHE」を開催。店舗すぐ近くのイベントスペース「StandBy」と、その上階に位置するギャラリー「The Mass」にて行われている。StandByに設置された白いオブジェはベッド。洗いたてのシーツがイメージされたブランシュの香りの象徴だ。来場者はベッドに横たわり、天井に設置されたカメラでセルフィー。この写真はThe Massにすぐ転送され、プリンターで紙に出力される。あたかもインスタント写真のようにスピーディーに完成する。

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プリント出力される場所は、ベッド空間と別のアートギャラリーにて。リモートの遠隔操作でリアルタイムに出力される。
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白い壁の裏に設置されたプリンターから出力されている様子。撮影できる構図は2種類ありベッドに加え、巨大な香水瓶と一緒に写る顔写真も用意されている。

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バイレードのロゴ入り紙筒で持ち帰れる。

この出力写真が黒白のモノトーンなのも洒落ているが、なによりインパクト大なのはポスター並の大判サイズなこと。まるで自分がバイレードのキャンペーンモデルになったかのようだ。この写真は特製の白い筒に入れられ来場者にギフトされる。
この体験イベントが新作フレグランスへの購入特典かと思いきや、なんと無料での提供!一生モノの宝として家にずっと貼っていたくなる出来栄えだ。大行列に並んででもトライする価値があるイベントになっている。

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アートギャラリー「The Mass」。路地から奥まった広場に面しており、街を歩く人たちの目に入りにくい隠れ家的なエリア。

 

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撮影ブースが置かれている「StandBy」。窓のないオープンスペースのこの空間にバイレードがガラス窓を取り付けてクローズ空間へと変貌させた。

各人気ブランドが絶えず話題を提供するニッチフレグランスのなかでも、今年に入ってからのバイレードの勢いには目をみはるものがある。モードなラグジュアリーブランドに近いクリエイティブ路線がバイレードの強みなのだろう。さらにこの先に私たちを感動させるどんな仕掛けを見せてくれるか、いまから愉しみで仕方がない。

BYREDO

www.byredo.com
www.instagram.com/officialbyredo/?hl=ja

 

 

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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