鷹野隆大による個展からサンディエゴ美術館と国立西洋美術館の共演まで【今月の展覧会2選】

  • 文:青野尚子(アートライター)
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写真家が切り取る世界から浮かび上がる、日常を生きのびるためのヒント

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『2015.10.28.#a28』(「カスババ2」より)2015年 © Takano Ryudai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

写真家・アーティストの鷹野隆大はセクシュアリティをテーマにしたもの、日常のスナップショット、東日本大震災以降制作している「影」を被写体とした作品などを手掛けている。個展のタイトル「カスババ」は鷹野の造語で、「カスのような場所」の複数形なのだという。私たちは大規模な自然災害や政治のきしみに不安を抱えながら生きている。そのなかで鷹野は弱いものやみにくいものもありのままに写し出す。彼が見つめる世界の姿が日常を生きのびるヒントになる。

『総合開館30周年記念 鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために―』展

開催期間:~6/8
会場:東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099
開館時間:10時~18時(木、金曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(5/5は開館)、5/7
料金:一般¥700
https://topmuseum.jp

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比べながら見ることで発見できる、西洋美術の新たな魅力とは

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フアン・サンチェス・コターン『マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物』 1602年頃、カンヴァスに油彩、サンディエゴ美術館 © San Diego Museum of Art

アメリカ西海岸のサンディエゴ美術館と東京の国立西洋美術館のコレクションが共演する。ロココと新古典の女性ファッションや、ヴェネチア・ルネサンスとフィレンツェの盛期ルネサンスの聖母子像など、ルネサンスから19世紀末までの作品がテーマに応じて対比される。このほか、現存する作品が30点程度しかないジョルジョーネや、6点しか現存しないサンチェス・コターンの静物画など日本ではなかなか見られない作品も。比べることでさまざまなものが見えてくる。

『西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館』

開催期間:3/11~6/8
会場:国立西洋美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~17時30分(金、土曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(3/24、5/5、6は開館)、5/7
料金:一般¥2,300
https://art.nikkei.com/dokomiru

※この記事はPen 2025年4月号より再編集した記事です。