これこそ税金の無駄遣い！ スペースXの宇宙船爆発で、イーロン・マスクへの批判噴出

  • 文：山川真智子
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イーロンマスク。photo：Frederic Legrand - COMEO／Shutterstock

3月6日、イーロン・マスク率いるスペースXの宇宙船「スターシップ」が8回目の試験飛行を行ったが、打ち上げから間もなく上空で爆発した。その様子を捉えた映像が次々と投稿され、ソーシャルメディアは大賑わい。トランプ政権下で奔放に振舞うマスクを叩く、絶好の機会ともなった。

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デブリ散乱？　空の便も混乱

CNNによれば、スターシップの打ち上げ失敗は今年2回目。飛行開始から10分も経たないうちに、エンジンのいくつかが停止して連絡が途絶え、爆発に至ったという。

1月の試験飛行では、スターシップはバハマに近い英領タークス・カイコス諸島上空で爆発し、島々にロケットの残骸などの「スペースデブリ」をまき散らした。スペースXは、今回の爆発でのデブリはすべて事前に計画された対応エリアに落下しており、海洋生物や水質への重大な影響はないと予想されると発表している。

爆発は航空交通にも影響し、米連邦航空局は「スペースデブリの落下」のため、マイアミ、オーランドなどフロリダ州のいくつかの空港発着のフライトを一時停止した。

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目撃者続々！　爆発動画が大拡散

爆発が起きた正確な場所は確認されていないが、フロリダ州の一部とカリブ海上空から、その様子が見えたと、周辺住民からの報告があったという。実際に、運転中の車や海上に浮かぶ船から爆発を撮影した人々がおり、ソーシャルメディアに次々と映像が投稿された。大手メディアもこぞって爆発時の写真や映像を掲載したため、ネット上であっという間に拡散された。

なかでも注目を浴びたのは、ウィスコンシン州の若い男性が飛行機の窓から捉えた映像だった。ビジネスインサイダー誌によれば、この男性は、ガールフレンドとドミニカ共和国で休暇を過ごし、シカゴ行きの便に乗っていた。

フライトの中盤に差し掛かったところで、「ロケットの一つが爆発したのが右側に見える」というパイロットのアナウンスが聞こえたという。男性は窓の外をのぞき込んで、スマホで録画した。花火のように散るロケットの残骸を映したTikTok動画は、これまでに1300万回以上再生されている。

撮影した男性は、爆発の様子を“クール”だったと表現。しかしその20分後に出発した空港に戻るというアナウンスがあり、1時間半を無駄にしてしまったそうだ。男性のガールフレンドは、引き返した空港で、客室乗務員が「めちゃめちゃ近くて怖かった」と話しているのを偶然耳にしてしまい、狼狽したという。

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無駄遣い批判噴出！　マスク氏の心は次の飛行へ

1月の試験飛行の失敗から2カ月もたたないうちに起きた今回の爆発で、イーロン・マスクへの風当たりが強くなっている。テキサス州のニュースサイト、MYSAは、トランプ大統領によって政府効率化省（DOGE）のトップに任命されて以来、物議を醸す存在になったためだろうとしている。マスクは、無駄遣いをなくす努力の一環として、連邦政府の人員削減に大鉈を振るっている。

ソーシャルメディア上では、スペースXが政府との契約を利用して事業を行っていることから、「また納税者の金が流れ出た」「この失敗事業に何十億ドル浪費する気だ？」など、スターシップの失敗こそ政府の無駄遣いだという声も出た。

ちなみにマスクは、この爆発を「小さなつまずき」だとし、4～6週間後に次の宇宙船を飛ばすとしている。

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豪快に爆発する宇宙船。X：@foxweather

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バハマの洋上で撮影された映像。X：@NorcrossUSA

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ハイウェイから撮影された映像。X：@spann

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@mariah.davenport thanks sir really appreciate the extra 3 1/2hrs on a plane @Dane #elonmusk #rockets #puntacana #dominicanrepublic #emergency ♬ ファイアボール (feat. John Ryan) - Pitbull

カップルの男性が機内から撮影した大バズリ動画。X：@spann