スイス高級腕時計の名門ヴァシュロン・コンスタンタンが、今年で創業270周年を迎えた。1755年以来、一度も途切れることなく時計を造り続けてきた歴史に、肩を並べる存在はいない。270周年を祝う、「トラディショナル」コレクションから登場する4つの新作を紹介しよう。

270周年記念の4モデルにはそれぞれパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、コンプリートカレンダー、レトログラード、ムーンフェイズなど、ヴァシュロン・コンスタンタンが長い歴史の中で培い、更新を続けてきた時計製造の技術が網羅されている。
その筆頭となる「トラディショナル・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー」は270周年記念の新作であり、127本の限定生産モデルだ。その名の通り、永久カレンダーにトゥールビヨンを組み込んだ“超複雑モデル”。普通では考えられない、コンプリケーションを超えたコンプリケーションである。
ムーブメントは新開発の「キャリバー2162 QP/270」を搭載。ふたつの複雑機構を組み込み、しかも自動巻きでありながら、キャリバーの厚みはわずか6.55㎜に抑えられている。ペリフェラルローターの採用はじめ、徹底的に見直された設計の結果、奇跡的な薄さを達成し、しかも約72時間ものパワーリザーブを確保している。

「トラディショナル」コレクションから発表された270周年記念モデルはすべて、メゾンがが誇る伝統的なスタイルを踏襲し、段差を付けたラグ、コインエッジの模様を刻んだケースバック、細身のベゼルが特徴だ。文字盤にはレイルウェイミニッツトラック、ファセット加工を施したドーフィン型針、コレクションの象徴であるゴールドのバトン型アプライド・インデックス。18世紀から受け継がれるジュネーブの高級時計製造の伝統を体現した、タイムレスなデザインと洗練されたシルエットのクラシックな魅力もまた、このプラチナ950製で統一された特別なモデル群の身上なのだ。
外見上で見逃せないのは、ゴールドの文字盤に施された手作業によるギヨシェ装飾だ。ヴァシュロン・コンスタンタンを象徴するマルタ十字を織り込んだ特別なモチーフは、創業270周年記念の限定モデルすべてに施されている。

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"オープンワーク"で魅せる、出色の3モデル
270周年記念モデルでは、メゾンの伝統的技術をオープンワークの文字盤に反照させた「オープンフェイス」モデルも3種類登場する。
「トラディショナル・トゥールビヨン・レトログラード・デイト・オープンフェイス」は、6時位置のトゥールビヨンの存在感と対を成すように、オープンワークの文字盤上部でレトログラード式の日付表示が扇型に展開する。ヴァシュロン・コンスタンタンは、1940年にこの表示系複雑機構、レトログラードを腕時計に組み込んだ先駆者だ。

「トラディショナル・パーぺチュアルカレンダー・レトログラード・デイト・オープンフェイス」は、ムーンフェイズを備えたパーペチュアルカレンダーとレトログラード日付表示の複雑さが拮抗するさまを、オープンワークから堪能できる。
「トラディショナル・コンプリートカレンダー・オープンフェイス」は、曜日・日付・月のトリプルカレンダー表示と、122年に1度しか調整の必要がない高性能ムーンフェイズ表示を備える。ブルー仕上げの針が外周の日付を表示するポインター式を採用し、曜日と月はブルーの窓で表示される。
例を見ない、複雑さと美しさの競演。それはまさにヴァシュロン・コンスタンタンが刻み続けてきた歴史の痕跡である。古典的な技法を現代に進化させたこの4本は、270年にわたる創造性に富んだ時計製造の技術を遺憾なく注ぎ込んだ、記念すべきモデルなのである。

