
2022年7月に16代目のクラウンを発表し、これまで「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」と発売してきたトヨタ自動車は3月13日、クラウン群の4つ目のモデルとなる「エステート」を正式発売。クラウンが誕生して70周年となる今年に、4モデルがようやく揃った。
16代目クラウンの開発には、クラウンとはなにか? と原点回帰するところから始まった。そこで導き出された言葉が“革新と挑戦”。オーナーの幸せを願い、新しいことにチャレンジする。歴史あるクラウンに対する固定観念を取り払い、多様化する社会に寄り添うことを掲げ、4つのモデルにたどり着いた。

麻布台ヒルズで行われたクラウンを体感できるイベント「Discover Your Way Life with CROWNs.」の取材会では、クラウンの開発陣が登壇。チーフエンジニアの清水竜太郎は「エステートの発売はまだなのか、という声が多かった。本日、お届けできて非常に嬉しく思っています」と喜びを明かす。
機能的でありながらも「上質」「洗練」「余裕」を意識したエステート。製品企画主査の本間裕二は「大人のアクティブキャビン。遊びも仕事も一生懸命なオーナーを想像しました」と語る。
16代目クラウンは“全席特等席”を掲げているが、エステートはそれを荷室にまで展開。完全フルフラットを生み出す「ラゲージルーム拡張ボード」を採用した。後席折りたたみ時に長さ2mとなるため、アウトドアシーンでの活躍も期待できる。車中泊で横になることも可能だ。


「さまざまな使い方を想像いただきたい。旅先でのくつろぎ空間、アクティブライフを楽しんでほしい」と自信をのぞかせる本間。「目的地に到着した後、仕事やアクティビティを思いっきり楽しんでもらうため、ストレスフリーを目指し、直進安定性を高めました。快適に走れるからこそ、車内や旅先を楽しめる。行動の幅を広げてもらいたい」と呼びかけた。
進化はデザイン面でも。スーツでもデニムでも乗れるクルマを目指し、フロントは品格がありながらもカジュアルな印象を与える。カラーデザイナーの宍戸恵子は「配色のインスピレーションは、早朝の凛としながらも緊張感のある澄んだ空気。サーフィやトレッキングなど、ワクワクを抑えながらスタートする一日にエステートが寄り添います」と語った。



節目を迎えたクラウンブランド。輸入車のオーナーや、20代から40代のオーナーが増えているそうで、平均年齢は以前よりも10歳若返ったという。現代で求められているクルマやライフスタイルが考えられた末に、辿り着いた4つのクラウン。今後の展開にも期待が募る。