現代最高峰の指揮者が魅せる、圧倒的カリスマ性に脱帽!

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『マーラー:交響曲第7番』

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サイモン・ラトル ナクソス・ジャパン NYCX-10512 ¥2,970

英国出身のサイモン・ラトルは世界最高の指揮者のひとりだが、“Brex(it 英国のEU離脱)”を避けてロンドン響の監督を急に辞任。多くの音楽ファンを心配させたが、バイエルン放送響の首席指揮者に。良好だった両者の関係はさらに深まり、古巣ベルリンフィルとはまた異なる蜜月関係を築いている。本盤はまさにその成果で、かつてはヘンテコな作品とみなされがちだったマーラーの7番さえ、精緻で柔軟な対応力によって真っ当な交響曲にしてしまう。重箱の隅まで明晰なのに窮屈ではないのだから、開いた口が塞がらない。

※この記事はPen 2025年4月号より再編集した記事です。