全裸サイクリング大会がメルボルンで開かれる「靴やヘルメット以外は身につけない」

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

今年3月2日、オーストラリア・メルボルンの市街地を全裸のサイクリストたちが駆け抜けた。記念すべき第20回目の「ワールド・ネイキッド・バイク・ライド・メルボルン」が開催されたのだ。

なぜ全裸で自転車に?

「ワールド・ネイキッド・バイク・ライド(World Naked Bike Ride)」は、自動車のドライバーが自転車を無視しがちなことに抗議し、自転車の存在感を示すためのデモンストレーションから始まったイベントだ。2004年からスペインやアメリカなど世界各地で行われており、過去には東京でも開催が企画されたことがあるという。メルボルンでは2006年以降毎年開催されており、今年は20周年のメモリアルイヤーだった。


イベントは完全ボランティアで運営されており、その目的は自転車の存在を気づかせること、環境のためにサイクリングを促進すること、体のポジティブなイメージを奨励することの3つだ。交通安全のためのイベントであるため、参加者はイベントのルールを遵守し、他の参加者や見物人、スタッフなどに敬意を持って適切に接することが強く求められる。


ドレスコードは「裸同然」で、安全のための靴やヘルメット以外は基本的に身につけないことになっている。しかし、水着や下着、ストッキングなどを身につけることも問題なく、参加者は自分のできる限りの範囲で裸になればOKというゆるいものだ。

当日の街の様子


記録によると、この日のメルボルンは気温18〜19度、天気は薄曇りで、全裸には少し寒い1日だったようだ。午後12時、メルボルン中心部から北のリンカーンスクエアに、100人以上の参加者が集合した。カメラに堂々と全裸を見せつける男性もいれば、水着で参加する女性の姿もある。派手なボディペイントで体を派手に飾り立てている人たちもいる。イベントが始まると、裸のサイクリストたちは、およそ10kmのコースを集団で列をなして走り回った。


イベントの公式Instagramには当日の画像や動画が多数アップされているが、全裸の自転車集団が街中の道路を走る様子は実に壮観だ。毎年恒例とあって街の人たちも慣れているのか、すぐ側を通る自動車はサイクリストたちに向かってホーンを鳴らして応援している。沿道には歓声や声援を送る地元民の姿もあり、参加者たちは手を振って応えていた。


参加者によると、イベントは最初から最後までスムーズに行われ、非常に楽しい体験になったという。ただ「怪我のリスクは頭の中にありました」と、全裸で自転車に乗るのはやはり少し怖かったようだ。


ワールド・ネイキッド・バイク・ライドは、今年6月に英ロンドンで、8月には米ポートランドでも開催される予定だ。

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大会の様子

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